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2014 長野県知事選

焦点=自民県連の阿部氏推薦決定 主導権...思惑

2014年05月25日(日)

 知事選の告示まで2カ月となった24日、自民党県連が現職の阿部守一氏(53)の推薦を正式に決めた。2010年の前回知事選で阿部氏の対立候補を全面支援した同党が今回、推薦にまで踏み込んで支援を打ち出した背景には、早々と推薦を決めた民主党と「均等な形」(自民党県連幹部)を取り、選挙の主導権や阿部県政への影響力を強めたいとの思惑がある。一方、前回知事選で草の根的に阿部氏を支援した後援会関係者らからは、与野党を問わず支持が広がることを歓迎する一方、政党同士がけん制し合って支援態勢づくりが難しくなると心配する声も出ている。


 「政権与党なのだから、やるからにはきちっと応援しないといけない」。24日の自民党県連大会前に開いた役員会の後、吉田博美会長(参院県区、大会で副会長に就任)は、阿部氏を推薦という形で支援することにした理由をそう説明。「民主党など各党と均等な形を取る必要もある」とも付け加えた。


 今回の知事選に向け、前回知事選で阿部氏を推薦した民主党県連の動きは早かった。阿部氏が9日に立候補を表明する前から、10日に知事選対応を協議する拡大常任幹事会の日程を設定。当日には他党に先駆けて推薦を決めた。


 民主党の本部が推薦を正式決定した13日。北沢俊美県連代表(参院県区)は、自民党県連が阿部氏支援に回る動きについて「相乗りではない。『相乗られ』だ」と述べ、民主党が阿部氏支援の「主軸」であるとの立場を強調。19日には自ら県庁に足を運び、阿部氏に直接推薦状を手渡した。


 これに対し、自民党県連は前回知事選で阿部氏と戦った腰原愛正元副知事を全面支援した経緯から、阿部氏の推薦決定に向けては慎重に党内手続きを踏む必要があった。12日の県議団会議では、団内の慎重論に配慮する形で「推す」との表現で支援を打ち出した。その後、党県連大会までの間に民主、社民両党県連、日本維新の会県総支部が阿部氏推薦を決め、公明党県本部も推すことを決定。各党とのバランスの中で推薦は当然―との流れが強まった。


 ただ、24日の県連役員会では、務台俊介氏(衆院2区)が集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更に阿部氏が反対の考えを示している点に触れ、「推すにしても、一定の距離を置くべきではないか」と主張。最終的に全会一致で推薦を決めたものの、ある党県議は取材に「個々の支援に濃淡が出るのは避けられない」と話した。


 自民党県連が推薦を決めたことに対し、民主党県連の倉田竜彦幹事長(県議)は取材に「阿部氏は『県民党』で選挙を戦い、各党とは等距離で接すると言っている。それでいいのではないか」とする。だが、24日に自民党県連の会長に新任された後藤茂之氏(衆院4区)は記者会見で「(阿部氏に)言うべきことは言っていきたい」と説明。阿部氏の支援態勢だけでなく、公約作りにも影響力を及ぼしていく姿勢を強調した。