甲子園出場を決め、3年生全員で記念撮影に納まる佐久長聖ナイン=22日、松本市野球場
第100回全国高校野球選手権記念長野大会(8〜22日・松本市野球場ほか)は、第1シードの佐久長聖が2年ぶり8度目の優勝を飾り、8月5日から甲子園球場で行われる全国大会に出場する。7年連続で決勝に進出した佐久長聖は、第2シードの上田西に先行されながら七回の集中打で逆転勝ち。6試合のうち5試合で2桁安打をマークしたように、打撃力で他校を圧倒した。
前回大会の準優勝メンバーが5人。決勝で松商学園に敗れた悔しさを糧に、1年間かけて磨いた打撃の成果を示した。3割9分9厘の高打率を残し、三振はわずか3だった。
県内最多160人の部員による競争を勝ち抜いた20人のレベルは高かった。昨秋からの公式戦26試合で、ベンチ入りした選手は39人。その中からメンバーを絞り込み、夏の戦力を整えた。鈴木、西藤ら主力がけがで戦列を離れる間に戦力の底上げにも成功。春から主力に定着した小山、樋口、上田らが今大会も活躍した。
相手投手の球威、変化球のレベルが上がる全国大会で、攻撃力がどこまで通用するか。実力が問われる。
準優勝の上田西は、長野商、長野西、小諸商、松本国際など、力のある相手を倒しながら順当に勝ち上がったが、決勝で力尽きた。もともと内野手だった右腕横尾の成長により投手力が整い、昨秋は非力だった打撃陣も冬を越してたくましくなった。成長度合いは大きかったものの、頂点にはあと一歩届かなかった。
ノーシードから29年ぶりにベスト4進出を果たした岡谷南の健闘も目を引いた。山岸、飯田ら投手陣と打線の力がかみ合い、2連覇を狙った松商学園などを破った。左腕飯田、4番五味を含め、スタメンの半数以上が2年生。上田西などとともに、秋以降が楽しみなチームの一つだ。11年ぶりに4強入りした松本国際は、全5試合に登板した右腕後藤を中心とした堅実な守備が光った。
松商学園、松本深志、松本第一、小諸商などは、好投手を擁しながら実力を十分に発揮できなかった。投手起用や采配の難しさを感じさせた。日本ウェルネス信州筑北キャンパスは、県大会を制した昨秋から思うように力を伸ばすことができなかった。
今大会は、前回まで8校だったシード校を16校に拡大。春季県大会1回戦を突破したベスト8をAシード校、敗れた8校をBシード校とした。日程的に余裕があるという面でBシード校にはおおむね好評だった。