松本駅の自由通路に置かれたピアノ=2月21日

「駅ピアノ」合唱や合奏ダメ 「トラブル防止」と松本市

2020年02月22日掲載

 「楽都」なのに―。松本市の松本駅自由通路にある「駅ピアノ」を巡り、通路を管理する市が近く、ピアノ以外の演奏を禁じる趣旨の掲示をすることが21日、分かった。市は他の楽器との合奏や合唱などで、より多くの人が集まって通行の妨げになるとし「ルールを明示してトラブルを避けたい」と説明。市民からは「せっかくの『楽都』が...」と柔軟な対応を求める声も上がる。(木暮有紀子)

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 ピアノは昨年8月、市内の一般社団法人「まつもと夢ピアノ」が通路東側に設置。「楽都まつもと夢ピアノ」と名付けた。午前8時~午後7時に誰でも自由に演奏できる。設置を許可した市は、ピアノ演奏だけなら駅利用者の通行やJRの館内放送を妨げないと考えた。

 だが今月10日午前、トラブルが起きた。演奏家がバイオリンと合奏したり、市民が「早春賦」を合唱したりし、人が集まった。近くには車いす利用者らも利用するエレベーターがあり、通路の指定管理者である民間業者がやめるよう注意する事態になった。

 市内の会社員藤松良成さん(54)が目の当たりにし、本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に情報を寄せてくれた。「悲しそうな演奏家の表情が印象に残った」とし「セイジ・オザワ松本フェスティバルが開かれる『楽都』なのだから、ピアノとバイオリンくらいなら許可しないと面白くない」と残念がる。

 市維持課は「ルールを掲示していなかったから起きたトラブルで、残念な思いをさせて申し訳ない」としつつ、合奏などは通行を妨げる可能性があると理解を求めている。

 21日夕、ピアノを弾いた東筑摩郡山形村の女子短大生(20)は「他の楽器も一緒に演奏し、大勢に聴いてもらえるのは素敵なことだし、励みになる」とした一方、「人の迷惑を考えると仕方がないかな」と複雑な表情で話した。

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