外国人労働者「特定技能知らない」41% 地方紙12紙が調査・分析

2020年02月25日掲載

 外国人労働者の受け入れを大幅に拡大する改正入管難民法の施行から4月で1年となるのを前に、信濃毎日新聞など全国12地方紙は、各地の外国人労働者300人超の声を集める初の共同調査を実施し、24日、結果をまとめた。改正の目玉として新設された新在留資格「特定技能」について、41%が「知らない」と回答。特定技能に必要なビザの取得を望む人も43%にとどまり、制度の周知や準備不足の実態が浮かび上がった。

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 また、生活に必要な手助けを複数回答で尋ねたところ、「日本語の勉強」(56%)に次いで「日本人と仲良くなるイベント」(50%)が挙がった。32%が「親しい日本人はいない」と答えたことと合わせ、自治体や地域レベルでも生活者として受け入れるための支援や交流を一層深めていく必要がありそうだ。

 特定技能は、人手不足を抱える介護や農業など14業種が対象。生活に支障のない日本語能力があり、省庁が指定する試験を経て取得するほか、技能実習生からの移行も含め、政府は初年度に最大4万7550人の受け入れを見込んでいた。だが実際には昨年12月末現在で1621人と伸び悩んでおり、今回の調査でも当事者への浸透度の低さが示された。

 回答者のほとんどが「日本が好き」「日本に来てよかった」と感じていた。一方、困っていることは回答の多い順に、①言葉が通じない②物や食事、乗り物の値段が高い③文化や習慣が違う④趣味や遊びの時間や場所がない⑤法律や税金のこと、病院のこと―と続いた。

 生活に必要な手助けについては、日本語の勉強や日本人と仲良くなる行事のほか、「わかりやすい日本語ニュース」「災害時の多言語情報」「日本人の相談相手」―などが挙がった。

 日本に永住したいかを尋ねたところ「はい」と回答したのは47%。日本に家族を連れてきたい人も58%いた。

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 【調査の方法】

 信濃毎日新聞のほか、本紙「声のチカラ」(コエチカ)と同様、SNSなど多様な手法で読者とつながり、疑問に応える報道に取り組む北海道新聞▽岩手日報▽東京新聞▽新潟日報▽岐阜新聞▽中日新聞東海本社▽京都新聞▽中国新聞▽徳島新聞▽西日本新聞▽琉球新報―が参加。共通のアンケート用紙を使い昨年12月~今年2月、各地域のおおむね来日5年以内の技能実習生や留学生ら32カ国・地域の計305人から回答を得た。集計は西日本新聞が担当。

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 [特定技能]

 深刻な人手不足に対応するため、国が昨年4月施行の改正入管難民法で創設した外国人の新在留資格。建設や介護、農業など14業種が対象で、技能試験や日本語の試験に合格する必要がある。うち「1号」取得には就労分野での一定の技能と日常会話程度の日本語能力が必要。在留期限は通算5年で家族帯同は認められない。熟練技能が必要な「2号」は在留期間の更新や家族帯同が可能。

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