佐久市の女性に寄せられた「新型コロナウイルスにお湯が効く」との内容のメッセージ

新型コロナ「デマ情報」拡散 惑わされず「二つのチェック」を

2020年03月 2日掲載

 「新型コロナウイルスは26~27度のお湯を飲めば予防できる」。佐久市のパート従業員女性(55)のスマートフォンに、知人からこんなLINE(ライン)のメッセージが転送されてきたという。本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班が調べると、根拠のない「デマ情報」の類いのようだ。「次はトイレットペーパーがなくなる」といったものも同様。感染が終息するめどが立たず、不安に駆られがちな心理に付け込み、こうした情報が拡散している。(島田周)

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 「今回のウイルスは耐熱性がなく、26~27度の温度で死にます」。女性の元に長文のメッセージが届いたのが2月25日。「必ずたくさん伝達してください」などと記されていた。女性は「本当なのだろうか」と思い、取材班に情報を寄せてくれた。

 長野市医師会の感染症対策委員会委員長で小児科医の児玉央(ひろし)さん(65)は「体温が37度以上の体内でもウイルスは増殖する。デマなのは明らか」と一蹴。「医学的根拠はない」と明言した。

 取材班には、梅干しやしょうゆが新型コロナウイルスに効くといった情報も寄せられたが、複数の専門家は「根拠はない」。ツイッターなどでは「マスクの次はトイレットペーパーやティッシュが無くなる」といった情報も拡散され、メーカーが「在庫が切れることはない」と呼び掛ける騒ぎになっている。

 なぜこうした情報が拡散するのか。非常時のデマに詳しい信州大地域防災減災センターの菊池聡センター長(57)は「有益と感じる情報を流して他者に納得させることで、自分も不安から逃れたいという心理がある」と分析する。

 菊池さんは、デマに惑わされないために「二つのチェック」が有効という。一つは冷静になって自らに問う「内なるチェック」。例えば「インフルエンザをお湯で予防できるという話は聞かないな」と考えてみるなどだ。もう一つは情報の発信元などに着目する「外なるチェック」。佐久市の女性に来たラインは「米国友人医師」らの情報とされていたが、名前や所属は示されていなかった。

 ネット情報をうのみにする前に「二つのチェック」を試してみるのはどうだろうか。

とは

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