すわっこランドの運動器具を消毒するスタッフ。急きょトレーニングルームの利用中止を決めた=4日、諏訪市

新型コロナ防止でジム休業 インストラクター「やりきれない」

2020年03月 6日掲載

 政府が新型コロナウイルスの集団感染防止のためスポーツジムを例示して利用を控えるよう要請したのを受け、県内で休業したり営業を縮小したりするジムが増えている。「営業を自粛している所が複数ある。健康のためのジムなのにやりきれない」。松本市内のインストラクターの40代女性から本紙「声のチカラ」(コエチカ)にそんな声が寄せられた。調べてみると、利用者減少は売り上げにも響き、関係者に困惑が広がっていた。(前野聡美、河井政人、大久保みちる)

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 女性はフリーランスで、松本市と岡谷市の3カ所でレッスンを受け持つ。2月までは週4日通っていたが、3月に入って仕事がない状態。「補助が出るスポーツクラブもあるが、微々たるもので3月は収入が激減する」とし、国の補償に期待をかける。

 ジムの休業について、女性は「感染防止には必要で仕方ない」と受け止める一方、普段は免疫力向上などを目指して指導しているだけに「やりきれない気持ち」と話した。

 松本市の「セントラルフィットネスクラブ松本」は3~10日、受け付け業務を除いて臨時休業。同施設を含め、ジムを全国展開するセントラルスポーツ(東京)は政府方針を踏まえ「お客さまと従業員の健康と安全のため」として全施設の臨時休業を決めた。11日以降、スタッフのマスク着用や運動器具の除菌を徹底し、営業を再開する予定。月会費など休業中への対応は検討中という。

 諏訪市の健康増進施設すわっこランドのトレーニングルームでは、県内で感染者が出てから、消毒液の追加設置や使用後すぐの機器への消毒などで対応している。

 4日に施設を利用した諏訪郡下諏訪町の高木里華さん(26)は「気にしていたら生活できない」。この日マスクを着用して体を動かしていた同郡原村の男性(67)も「健康のためにも通わないわけにはいかない」と話した。

 ただ、利用者は1日約130人から30~40人減少。すわっこランドは4日、休館日の5日以降、17日までトレーニングルームの利用を中止することを決めた。

 フィットイージー岡谷店(岡谷市)は利用者が減少傾向で、新規入会も減っている。ヨガなどのレッスンは3月中旬まで中止。昨年11月に開店したばかりで、担当者は「これからという時だったが...」と声を落とした。

 一方、上田市内のあるスポーツジムは、個人でできる運動器具のトレーニングに限定して営業。担当者は「感染防止のためには仕方がない。ただ退会する人もいて、長期的に見れば売り上げが減少するかもしれない」と話す。

 県長野保健福祉事務所は、ジム側には営業する場合、換気の徹底、人や機器の間隔を十分に空けるよう呼び掛け、ジム利用者にはこまめな消毒や手洗いを求めている。

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