長野市保健所で保護されているネコ。ペットに関しては触れた後に手を洗うなど通常の感染症対策を呼び掛けている

新型コロナ、ペットにも感染するの? 飼い主の注意点は?

2020年03月16日掲載

 新型コロナウイルスの感染拡大に関連し、本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に「ペットは新型コロナウイルスに感染するの?」という質問が寄せられた。香港ではペットの犬から検出されたとの報道もあったが、専門家は「可能性はあるが、低い。あったとしても偶発的」とする。ただ、ペットを介した他者への感染リスクには注意を促している。(島田周)

     ◆

 動物のコロナウイルス感染について研究する北里大獣医学部(青森県十和田市)獣医伝染病学研究室の高野友美准教授は「自身が陽性でなければ、飼い主は普段通りにペットと接すればいい」と説明する。

 かつて流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)は、コウモリなどから変異を起こしたウイルスがヒトに感染した説が有力だ。新型も野生動物からヒトへの感染が疑われている。

 ただ、コロナウイルスは基本的に「宿主特異性」が高く、例えばネココロナウイルスはネコにのみ感染する。例外もあるが、野生動物からヒト、ヒトからペットへ―と、二重に種を超えて広がる可能性は低いという。高野准教授は過去のSARSにおけるネコでの研究結果も挙げ「感染者がペットに口づけするなど、特異な接触でもしない限り、感染の可能性は極めて低いと考えられる」と話す。

 香港の事例は、香港政府が発症患者の飼い犬を検疫施設に入れて検査し、断続的に微量のウイルスが口や鼻から検出された結果を「犬に感染した」と判断したが、高野准教授は懐疑的だ。厚生労働省によると、世界保健機関(WHO)も「現時点ではペットが感染するという科学的根拠はない」としている。

 ただ、飼い主の人間に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、ペットに付着したウイルスが外部へ運ばれ、他者に感染を広げるリスクがあり、接触は避けた方がいい。今後、国内で感染がさらに広がる可能性もにらみ、高野准教授は「飼い主が発症して入院する際、ペットの扱いに何らかの基準を設けたり、保護したりする対応も必要ではないか」と指摘している。

とは

私たちが日々の暮らしの中で出合う、さまざまな疑問や困りごと、「おかしいな」「納得できない」「なぜだろう」と思うできごと。記者に伝えることで、ヒントや答えが得られるかもしれません。
「声のチカラ」(コエチカ)は、あなたが寄せてくれた情報を出発点に記者が取材し、記事にする新たな仕組みです。一人一人の声と記者がつながることで、地域や社会を変える力が生まれます。

⇒詳しくは、特設ページをご覧ください