長野市のスーパー店頭に並び始めた市販マスク=12日

アベノマスク いつ届きマスカ?「必要性低下」の声も

2020年05月13日掲載

 「アベノマスクはいつ届くのでしょうか」。新型コロナウイルスの感染防止策として、政府が全戸に2枚ずつ配る布製マスクを巡り、本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に上田市の70代女性から疑問の声が寄せられた。そういえば、4月1日に安倍晋三首相がぶち上げてから既に1カ月以上。スーパーなどには不織布のマスクが出回り始めている。巨額の費用を投じた布マスク配布計画はどうなっているのか。(山越悌治、大杉健治)

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 不織布の使い捨てマスクは国内で感染が広がり始めた2月ごろから全国的に手に入らない状態となった。だが、5月に入り、県内のスーパーやドラッグストアでは「1家族1セットのみ」といった制限付きながら、マスクが入荷される日が増えつつある。

 5枚一組の不織布マスクが300円ほどで売られていた長野市内のスーパー。訪れた主婦(53)は「手作りマスクも頂いたりして、もう足りています」と立ち去った。松本市内でも12日、店頭に「マスク入荷」の文字が。中野市の60代男性は「マスクには困っているが、いつまでも配布されなければ必要性がどんどん失われる」と、スピード感のなさに苦言を呈する。

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 長野県内でも福祉施設などには優先して布マスクが配られているが、一般世帯にはいつ届くのか。配達を担当する日本郵便信越支社(長野市)は「本社から連絡がなく分からない」。厚生労働省のウェブサイトでも、長野県は12日時点で「準備中」のままだ。

 電話相談窓口では、委託先の女性スタッフが、現在は重点対策が必要な13の「特定警戒都道府県」を優先していると説明してくれた。厚労省のサイトによると、東京都と大阪府、福岡県で「配布中」だが、残る10道府県では13日以降に配布開始予定になったばかりだ。政府は「全国で5月中の配布を目指す」としていたが、一部に汚れなど不良品が見つかって回収した影響も。結局、長野県内の一般世帯に行き渡るには、まだかなりの日数がかかりそうだ。

 そうこうするうち、県内では布マスクを手作りする家庭が増え、靴下やシャツの製造企業は相次いでマスク製造に参入。スーパーなどには中国製などの不織布マスクが少しずつ並び始めた。

 布マスクの調達、配布に政府が計上した予算は466億円。「医療用マスクを作ろうとしているメーカーに助成した方がいい」(長野市の60代女性)、「仕事がなくて困っている人たちの支援に使っては」(中野市の30代女性)と、税金の使い方に疑問を投げかける声も少なくない。

 政府が配布する布マスクが不要な人はどうすればいいのか。厚労省のサイトでは、ちゃんとこうした疑問にも答えている。「例えば身近で必要とされている方に譲るなどの選択肢もご検討ください」とのことだ。

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