ぜんそくの娘 通学が心配...欠席にならない場合も

2020年06月10日掲載

 糖尿病や心不全などの持病があると重症化しやすいとされる新型コロナウイルス感染症。本紙「声のチカラ」取材班に県内の40代女性から「ぜんそくがある高校生の娘の電車通学が心配」との声が寄せられた。最近の海外事例の分析では、現時点でぜんそく患者が重症化しやすいという根拠はないとされるが、懸念が根強いことも踏まえ、県教委は主治医の判断などがあれば、欠席扱いにしないよう県立学校などに伝えている。(島田周)

 女性によると、ぜんそくを患う長女は、片道1時間ほどかけて地元から離れた高校に電車通学。車内で感染しないか心配で、5月の登校日には高速道路を使って車で送迎したという。6月からは通常登校となったが「毎日の送迎は経済的にも大変。(密になる)電車は大丈夫でしょうか」と思案する。

 厚生労働省や日本アレルギー学会(東京)はぜんそく患者について「呼吸不全が重症化する危険性が考えられる」とし、医療関係者らに注意喚起。一方、国立成育医療研究センター(東京)は今月2日、米国や中国、メキシコでの新型コロナ感染者の報告を解析し、ぜんそく患者が重症化しやすい根拠は現時点でないと発表した。ただ「重症化リスクがない」と言い切るにはさらなる調査が必要という。

   ◇

 県教委の学校保健統計調査によると、2019年度に県内でぜんそくと診断された高校生は1・3%。通学などに不安を持つ子どもや親は少なくないとみられる。

 鉄道各社も換気や消毒など対策を強化している。わかまつ呼吸器内科クリニック(長野市)の若松俊秀院長は、県内の現状も踏まえ「混み合う車両に乗らず、つり革や手すりに直接触れないといった注意をすれば、電車通学をしても構わないのではないか」。その上で、再流行の兆しがある場合には一時的に電車通学を中断するなど、臨機応変な対応が必要とする。

 県教委も保護者や本人の不安に配慮。ぜんそくなどの持病がある生徒や児童は、主治医の診断や保護者の申し出があれば相談の上、欠席扱いにしないよう県立学校などに伝えた。登校しない生徒らにはプリントの配布やオンライン授業などで学習機会の確保を図る考えだ。

 取材班に声を寄せた女性の長女は、感染に気を付けながら電車通学をすることに決めた。人々が新たな生活を手探りする中、女性は「ぜんそくだけでなく、妊婦や高齢者、持病を抱える人により配慮がなされる社会になってほしい」と期待している。

とは

私たちが日々の暮らしの中で出合う、さまざまな疑問や困りごと、「おかしいな」「納得できない」「なぜだろう」と思うできごと。記者に伝えることで、ヒントや答えが得られるかもしれません。
「声のチカラ」(コエチカ)は、あなたが寄せてくれた情報を出発点に記者が取材し、記事にする新たな仕組みです。一人一人の声と記者がつながることで、地域や社会を変える力が生まれます。

⇒詳しくは、特設ページをご覧ください