バス乗車後、トレーナーに体温を測ってもらう信濃グランセローズの選手(左)

信州のプロチーム、遠征時のコロナ対策は バスで密防止 泊まりは1人部屋

2020年07月 2日掲載

 新型コロナウイルスの影響で活動を休止していた県内のプロスポーツの試合が徐々に再開している。本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に「県内のプロチームが遠征する際、感染予防対策はどうしているのか。アマチュアの参考にもなるはず」との声が寄せられた。プロチームに尋ねると、バスの乗車人数を制限したり、ビュッフェ形式の食事をやめたりといった、移動や遠征先での感染リスクを抑える工夫をしていた。

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 予定より約2カ月遅れて20日に開幕したプロ野球独立リーグのBCリーグ。信濃グランセローズは同日午前7時すぎ、選手らが新潟市での開幕戦に向け、練習拠点の中野市でバスに乗り込んだ。乗車後すぐ、トレーナーらが非接触型の体温計で搭乗者全員の検温を行い、感染の目安になる37・5度以上の発熱者がいないことを確認した。

 この日は補助席を除き49座席のバスに選手やスタッフら30人余が乗車した。バスに乗り込んだ赤羽由紘選手(19)=松本市出身=は車内を見渡し「密になりがち」。球団にはバスの台数を増やす余裕はなく、その日出場しない選手や練習生の乗車を極力控えるようにしている。

 「できることを可能な限りしてもらう」と竹内羊一球団社長(65)。遠征での感染予防は選手らの工夫にも委ねており、赤羽選手は「車内で飲食する時は、おにぎりやパンではなく、箸で食べる麺類などにしたい」と話す。

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 サッカーJリーグは、27日の公式戦開催を前に「感染症対応ガイドライン」をまとめた。バス移動について「欧州では複数台での移動を義務付け(1台25人まで)」との事例を紹介したり、車内でのマスク着用や1時間に3回の換気を求めたりしている。

 J2松本山雅FCは、座席が隣り合わない31人乗りの大型バスを利用。昨季までは25人前後が乗っていたが、27日に金沢市で行う試合からはさらに乗車人数を減らし、遠征メンバーの選手18人のみが乗車。監督やコーチらは別の車で移動することにした。

 宿泊先も可能な限り1人部屋を選び、食事はトングなどを共用するビュッフェ形式を避けて選手ごとに個別に配膳する計画だ。その分、遠征費用は増すが、運営会社の神田文之社長(42)は「安全性を高めるためにできる限りのことをしたい」と強調する。

 J3のAC長野パルセイロは、定員49人の大型バスを最大24人で利用し、24人を超える場合は「マイクロバス1台を追加する」としている。

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 バスケットボール男子Bリーグの信州ブレイブウォリアーズは、10月開幕の新シーズンからB1に昇格し、沖縄県や島根県など遠隔地での試合が増える。遠征先では外部での食事を避けるため、食事は3食とも施設内で取れるホテルを探し始めている。高島好子マネジャー(37)は「感染状況を見ながら最も安全な遠征方法を考える」と話す。

 リーグとしての取り組みもある。BCリーグはシーズンを通し、Jリーグは7月いっぱい、移動による感染リスクを低減するため、近隣チーム同士の対戦を優先して組んでいるという。

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