夜空に一直線に延びる光=10日(松本市から撮影)

松本平の夜空に謎の光線「UFOかと」正体は...

2020年12月17日掲載

 「あの光は何?」。今月上旬から塩尻市・松本市境の夜空に青いサーチライトが照射されるようになったと、周辺住民らから「声のチカラ」(コエチカ)取材班に情報が寄せられた。光の元をたどると、長野道塩尻北インター近くにある塩尻市内のラブホテルに行き着いた。改装オープンのPRというが、同市は市民の苦情を踏まえて自粛を申し入れた。ホテル側の判断は―。(赤田平祐)

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 このホテル運営会社によると、サーチライトは4日から毎日午後5時~午前5時に点灯。光は敷地内から空へ一直線に延び、振れながらゆっくり動いている。

 松本市の会社員女性(60)は、光が当たると雲が輝き「最初はUFOかと思った」。約10キロ離れた松本市アルプス公園で見た人もおり、広い範囲で確認できるようだ。「子どもが怖がっている」との声もある。「塩尻星の会」代表の百瀬雅彦さん(56)は、星空観察への影響を指摘。星空を眺めに行くホテル近くの公園は「明るくて観察できたものではない」と嘆く。

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 ホテル運営会社社長の脇田克広さん(69)=大阪市=は「近隣住民には配慮している」と言う。点灯を始める前にはホテルの地元区長に立ち会いを求め、趣旨を説明。区長は「近隣の住宅に光が当たらないよう求めた」とする。

 調べてみると、今回のようなサーチライトの使い方を規制する法律や塩尻市条例はない。県の屋外広告物条例が関係しそうだが、県都市・まちづくり課は「サーチライトは屋外広告物に該当しない」との見解だ。

 ホテルの約2キロ西には県営松本空港がある。航空法は空港周辺を飛ぶ航空機への光の照射を禁じているが、同空港の運用時間は午前8時半~午後5時。県松本空港管理事務所は問題ないとしている。

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 塩尻市生活環境課は、市民から「景観を損ねている」といった苦情を受け、環境省の「光害対策ガイドライン」に沿って8日にホテル側に点灯自粛を文書で要請した。ガイドラインは、屋外照明の増加に伴う天体観測への悪影響などを踏まえ、「広範囲にわたるサーチライトの使用は許容されない」とする内容だ。

 運営会社によると、点灯は来年2月末までの予定だが、星空観察などに配慮して一時的な停止も検討する。月内に市に目的や住民への配慮について、「誠意を持って説明し、理解いただけるよう努める」と脇田さん。ただ、松本市の女性は「迷惑に感じる人がいるのなら、商売上の利益を優先しない方が良いのでは」と話している。

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