大学共通テスト「推薦合格者も受験を」なぜ?

2021年01月15日掲載

 16日からの大学入学共通テストを巡り、本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に、受験生の保護者から「推薦入試で合格した生徒にも受けさせる高校がある。感染リスクもあるので、やめるべきではないか」との声が寄せられた。今年は新型コロナウイルス感染予防に神経をすり減らす受験生や保護者が少なくない。例年とは事情が異なり、高校側も指導に苦慮。受験するかどうかは受験生や家庭の判断という。(島田 周)

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 私立大学などへの推薦合格が決まった生徒の共通テスト(昨年までセンター試験)受験について、県教育委員会は「受けさせるべき、受けさせるべきではないという画一的な対応はしていない」との立場だ。だが、学力維持や他の受験生への影響を考え、受験を促す高校が多い。

 推薦入試の合格発表は、共通テストの出願期間よりも遅くなるため、推薦入試を目指す生徒も、共通テストは出願している。1万2千円(2教科以下)や1万8千円(3教科以上)という検定料も払っており、学校側にとっては無駄にできない機会と捉える向きもある。

 情報を寄せた保護者の子どもが通う野沢南高校(佐久市)の井出豊彦校長は「受験を続ける同級生もいる中、最後まで高校生活を全うしてほしいという意図があった」と説明。共通テストの結果は推薦先の大学や推薦合格者にとって「基礎学力の担保にもなる」とする。

 ただ、今年の受験は例年と異なる。新型コロナの感染再拡大に伴い、政府は首都圏や関西・中京圏などの11都府県に緊急事態宣言を発令。長野県内は緊急事態宣言は出ていないものの、連日、2桁の感染者が出ているなど感染拡大が止まらない状況が続く。

 こうした中での共通テスト受験について、井出校長は「強制のように受け止められたのは申し訳ない。感染したくない、させたくない、という生徒や家庭の思いは尊重する」と話す。

 推薦合格した生徒やその保護者の中には、共通テストを受験しないと、成績に影響するのではないかとの懸念もある。共通テスト受験に関し、野沢南高校は「成績に影響しないし、罰則もない」と説明。一方、力試しに受ける推薦合格者もいて「意思も尊重したい」としており、統一した指導は難しいようだ。

 共通テストを担う大学入試センター(東京)によると、県内会場を含む各会場で、医師や看護師の配置、換気や会場の消毒など感染防止対策を講じている。「国や専門家の指針に基づいて万全を期している。安心して受験してほしい」としている。

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