とをしや薬局豊科店の解熱鎮痛薬売場。アセトアミノフェンが主成分の商品は品切れとなっている=6月28日午後0時36分、安曇野市豊科

新型コロナワクチンで副反応 接種後の鎮痛薬 選び方は? まずは「医師に相談を」

2021年07月16日掲載

 新型コロナウイルスワクチン接種を県内でも高齢者の半分以上が1回目、2割超が2回目を済ませ、早い自治体では64歳以下にも始めている。「接種後の頭痛や発熱といった副反応に対し、市販薬はどのように選べばよいのでしょうか?」との質問が、本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に届いた。県内のドラッグストアを巡ると、アセトアミノフェンが主成分の解熱鎮痛薬が特に人気で、品切れや品薄が続いているらしい。他の成分の薬と効き目は違うのか、専門家に聞いてみた。

 安曇野市豊科のとをしや薬局豊科店では、市内で高齢者らの新型コロナワクチン接種が始まった5月から解熱鎮痛薬の需要が増えた。中信地方で20店舗を展開。接種する本人や家族らが買い求め、解熱鎮痛薬の売り上げは例年に比べて2~3割伸びている。

 特にアセトアミノフェン製剤が人気で「入荷があれば、売り切れてしまう状況」(担当者)。6月28日も品切れで、入荷の見込みは未定という。県内でドラッグストアを展開する別の薬局グループでも、アセトアミノフェン製剤が「高齢者への2回目の接種が始まる頃から品薄」とする。

 現在、国内で最も普及しているファイザー社製ワクチンを接種した約2万人に順天堂大が調査した中間報告(23日現在)では、特に2回接種後の症状が目立ち、37・5度以上の発熱が38・4%、倦怠(けんたい)感が69・4%、頭痛が53・6%の人で見られた。解熱鎮痛薬を服用した人は1回接種後が4%に対し、2回接種後は13・6%だった。

 厚生労働省はホームページで公開する新型コロナワクチンに関する一般向けQ&Aで、市販の解熱鎮痛薬の種類にはアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)などがあり、ワクチン接種後の発熱や痛みに使える―と説明。同省予防接種室は「特定の成分がこのワクチンの副反応を増大させることは知られていない。アセトアミノフェンに限らず、飲み慣れた薬を使えばいい」と勧める。

 それでも、アセトアミノフェン製剤が好まれるのはなぜか。県薬剤師会医薬品情報室は「子どもや妊婦も使用でき、副作用が少ないため使いやすい」とする。医療機関では「カロナール」という薬品名で処方される。

 長野市医師会の感染症対策委員会委員長で小児科医の児玉央さんも、発熱の症状に限っては「非ステロイド性抗炎症薬は避け、アセトアミノフェンの解熱剤を服用した方が無難」との立場。非ステロイド性抗炎症薬はインフルエンザの発熱時に使うと、インフルエンザを原因とする脳炎や脳症を発症した場合には治った後の経過が悪くなる恐れがあるとし、ワクチン接種後の発熱症状がインフルエンザによる発熱と見分けられないうちは「安全のため」避けるという。

 ただ、今の時季にインフルエンザにかかる可能性は極めて少ない。市販のアセトアミノフェン製剤が入手しにくい状況もある。県薬剤師会の担当者は「飲み慣れていてこれまで問題が起きていない薬を使うか、持病がある場合は接種前に薬剤師か、かかりつけ医に相談するのが安心」と助言。児玉医師は接種後について「気になる症状が出たら、かかりつけ医に相談してほしい」と呼び掛けている。

(園田清佳、牧野容光、竹内啓太)

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〈解熱鎮痛薬の種類〉 非ステロイド性抗炎症薬が一般的で、ロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリン、エテンザミド、インドメタシンなどの種類がある。痛みや発熱などの炎症を引き起こす体内物質の生成を抑えるのが特徴。それとは別に副作用が穏やかなアセトアミノフェンがあり、抗炎症作用はほとんどないが神経や脳の体温調節中枢に作用して、痛みの伝達を抑えたり、体温を下げたりすると考えられている。「バファリンA」(ライオン)はアスピリン配合で、「バファリンルナJ」(同)はアセトアミノフェン配合など、同じ商品名でも種類によって含まれる有効成分が違うこともある。

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