松本平広域公園体育館で開いたバドミントンの新人大会。空席が目立つが、「密」を避けるため保護者は観戦できなかった=3日、松本市

わが子の活躍 見たいのに... 県内高校の運動部活新人大会 割れる可否 保護者から疑問

2021年12月20日掲載

秋から年明けまで続く高校の運動部活動の新人大会シーズン。保護者から「新型コロナウイルス感染が落ち着いているのに、わが子の活躍を会場で見られないのはおかしい」との投稿が、本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に相次いで寄せられた。競技によって保護者らの観戦が制限されているようだ。なぜなのか、会場を訪ねた。(牧野容光)
 3日、松本市神林の松本平広域公園体育館。バドミントンの新人大会のため、県内中の生徒約400人が集まっていた。コート内では選手たちが「よしっ!」「オッケー」などと声を上げるが、観客席は静まり返ったままだ。
 観戦は選手や会場設営の生徒、引率教員らに限定した。松本蟻ケ崎高2年の久保田和輝さん(17)は「観客席から拍手があると力をもらえる。(保護者らに)見てもらえないのは残念」。松本工業高2年の青柳幹一さん(16)も「応援があった方が気持ちが乗る」と話した。
 一方、同公園内の松本市サッカー場で11月30日に開いたサッカーの新人大会は、グラウンドの外側で保護者約40人が観戦した。「久しぶりの観戦。本当にうれしい」と、松商学園高に三男が通う会社員柳沢政利さん(54)。三男の高校入学後、初の観戦で「子どもの活躍を目に焼き付けたい」と満足げだった。
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 新型コロナ感染はここ1カ月ほど落ち着いている。松本圏域は県独自の感染警戒レベルが1で「陽性者の発生が落ち着いている状態」。それでもバドミントンとサッカーで保護者の観戦可否は割れた。
 県高体連のバドミントン専門委員会の藤沢直方委員長(須坂創成高教諭)は「『密』を避けるため観戦を不可とせざるを得なかった」と説明する。観客席は1134席で、そこに選手だけで約400人。保護者が来れば途端に満杯だ。選手や補助員ら以外の部員の応援も禁じた。
 一方、サッカー専門委の西村繁路委員(豊科高教諭)は「会場が屋外で、比較的余裕があった」。出入り口では補助員の生徒が来場者を検温し、連絡先を確認。立ち入れる場所も制限し、選手と接触しないようにした。
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 県高体連は陸上やテニス、バスケットボール、ハンドボールなど29競技の新人大会を主催。保護者の観戦可否は高体連が独自に設けたガイドラインに沿って競技ごとに専門委が検討した上で、県高体連として決めている。
 ガイドラインは県教委の県立学校運営ガイドラインなどを参考に4月に公表。大会は「原則として無観客」とする一方、▽入場者の把握と検温▽観客同士が密とならないような会場設営▽選手と観客が接触しないような動線確保―などを条件に保護者らの入場を認めるとしている。
 このため、松本市の浅間温泉庭球公園で9月18~20日に開いたテニスの新人大会は屋外競技だがスペースが狭く、密が避けられないため観戦を認めなかった。一方、伊那市のサンビレッジ体育館で11月20日に開いた女子の新体操は選手31人で小規模のため、選手1人につき保護者1人の観戦を許可した。
 県高体連の大谷雅亮理事長は「保護者が大会を観戦したい気持ちは重く受け止める」と前置きした上で「感染対策も非常に重要。ご理解いただきたい」としている。

松本市サッカー場で開いたサッカーの新人大会。保護者らが隣同士の間隔を空けて試合を見守った=11月30日

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