赤い羽根募金 集める町会側は「連帯責任」 目標未達成で「他町会に迷惑かけて...」

2022年06月 6日掲載

 赤い羽根共同募金の集金を巡り、1世帯当たりの目安額が示されるのが「強制のように感じる」との住民の声を本紙「声のチカラ」(コエチカ)で紹介したところ、今度は、集める側の地区役員から「募金を集めなければならない圧力もある」との趣旨の投稿が届いた。投稿主は松本市城北地区の西町町会長、東靖人さん(67)。ある町会が「目標額」を達成できないと、他の町会が穴埋めする連帯責任の仕組みになっているという。(牧野容光)

 「どうも、足を引っ張ってすみません」。東さんはここ数年、町会長が集まる会合に出席すると、決まってこうあいさつしている。西町の募金額が、目標額を下回り続けているからだ。

 2021年度の資料によると、城北地区14町会のうち西町の目標額は4万3700円。これに対し実績額は1万6900円で4割足らずしか集められなかった。残る13町会のほとんどは目標額を達成し、8割に満たない町会は西町だけだった。

 東さんは取材に「住民の自主的な意思を尊重して集めて回った結果なんですが...。他の町会に迷惑をかけて正直心苦しい」と話した。

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 赤い羽根共同募金の県内の目標額は一体どう決められているのだろうか。

 主催する県共同募金会(長野市)があらかじめ翌年度の事業を計画し、事業総額を「目標額」とし、世帯数などに応じて県内77市町村の目標額を決める。松本市の場合、目標額の半分は全県の事業に充てられ、4分の1は全市の事業。余れば地区ごとの事業に充てられる。このため、募金が不足すると、地区の事業から実施できなくなる。

 東さんは「地元の事業に影響が出ないよう、町会が必死に金集めをせざるを得ない仕組みになっている。まさに連帯責任だ」と指摘する。

 城北地区町会連合会長の上条晴康さん(73)も「少なくとも目標額の75%(全県事業と全市事業の分)を集めることはノルマのようになっており、募金の本来の趣旨に反する」と指摘。「(県共同募金会にとって)都合のいい方法になっている」と訴える。

 松本市内35地区の目標額を設定している市共同募金委員会の担当者は「集めなければならないという圧力を感じさせる仕組みになっているようであれば募金の本来の趣旨に反する。町会長の声を募金委に伝えたい」。県共同募金会の黒岩一郎・常務理事は「強制的になるようであれば、松本市共同募金委員会で検討する必要があると思う」と話している。

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