地域を知り、「今」を知る信毎 [20代学生]社会、経済、世界の動き―。ぐんぐん視野が広がる!

娯楽感覚で拾い読み 新聞はトピックの宝庫

信州大学教育学部4年 藤原 諒さん(24/長野市)

子どもを対象とする心理学を学びたくて信州大学に入学し、臨床心理士の資格取得を目指して学ぶ藤原さんは、広島県出身。自身が新聞を読み始めたのは-と聞くと、「不登校になり始めた小学5年生の頃」と答えてくれました。日々家で過ごしながら、自然と新聞に触れる時間が増えたそうで、以降、中学まで続いた不登校時代を経て、高校で一念発起、親元を離れて兵庫県の全寮制男子高校に入学したことを機に、自分でも新聞をとってみることにしました。
読書が好きなこともあり、子どもの頃から書評やコラムを中心に、娯楽感覚で拾い読みをしていたという藤原さん。新聞には、1度に見えるページに幅広い記事が凝縮していて、トピックを選べる楽しさ、意外な発見に出合える面白さがあると言います。「面白そうだと目に留まった記事を読んでいるだけで、何も特別な読み方はしていないんです」。最近では、「こんなことも教室になるのか」と驚いた塩尻市の塩おにぎり教室の話や、投票所の立会人に応募したという高校生の話など、長野県内の地域情報にも興味が湧いています。

新聞配達が育んだ郷土への愛

山梨学院大学4年 中村 将史さん(21/小谷村出身)

小谷村の中村将史さんの家では、祖母、父と新聞配達をし、中村さんも小学2年の頃から父親と一緒に配達するようになりました。
「当時は当然のことと思っていました。でも雪の日はつらかった。除雪前の4時半ころから配達に出ると、腰のあたりまで積もった雪をかきわけながら進む」
成人した今、当時わからなかった新聞配達の意義が理解できるようになり、自分がしてきたことに誇りが持てるようになったと言います。
「情報の大切さ、情報を選択できる環境の重要さがわかってきたら、わずか20軒ほどの配達ですが、ぼくがその環境を支えてきたと気づいたんです」
20軒とはいえ中山間地の小谷村では広い範囲になります。配達しながら、村の人々とあいさつを交わし、終われば姫川の朝焼けや山々のシルエットを仰ぎみる-そんな少年時代の日々の中で、人と人の絆や自然への愛着を育んでいきました。
「この村の人と風土、自然が好きなんです。ここで暮らしたい。村内に就職したいと就活も頑張っています」

新聞を読む習慣は“家族の伝統”

信州大学教育学部3年 相場 勇人さん(22/長野市)

社会科教師を目指す相場さんは、小諸市出身。祖父母、両親、兄と姉-7人の大家族で育ち、新聞は家族が集うテーブルの上にいつもあったと言います。野球好きな一家とのこと、プロ野球はもちろん、高校野球の話題も見逃しません。きょうだいそろって佐久長聖高出身で、シーズンになると新聞のトーナメント表を切り抜いて、結果を逐一チェックするのが一家の恒例だそうです。
小学校時代は、苦手だった読み書きの力をつけるため、父親にすすめられて新聞記事の書き取りをしていたという相場さん。「その父も、祖父から新聞を読むよう言われて育ち、いわば“わが家の伝統”みたいです」。新聞を自分なりに楽しんで読むようになった高校時代から、大学で一人暮らしの今まで、時間がなくてもいつも目を通してきたのが1面の「斜面」。「書き手の気持ちが伝わってきて面白い。こんなふうに気持ちよく書けたらいいなとも思います」
高校時代には、新聞を介した貴重な出会いもありました。クラスぐるみで「建設標・10代から」への投書に取り組んでいたなかで、「特攻隊について書いた僕の文が掲載されました。その投書を読んで、自分も戦地に赴いたという上田市のおじいさんから、信毎を通じて手紙が届いたんです。そういう経験はクラスで僕だけで、とてもうれしかった」。その手紙は今でも、大事にとってあるそうです。

社会の窓 スポーツも、祭りも、経済も

信州大学経済学部2年 小寺 一嘉さん(21/松本市)

千葉県出身の小寺さん、長野県についても松本についてもよくわからず、アパート近くのレストランで信濃毎日新聞を初めて手にして購読を決めました。
「高2ぐらいからスポーツ欄を読み始め、しだいに全ページに目を通す習慣がつきました。地方紙は松本で初めて知り、信毎はとても新鮮で読みやすいと思いました」
読み始めて驚いたことはたくさんあります。たとえば諏訪の御柱祭。「名前だけは知っていましたが、こんな大きな祭りだとは知らなかった。紙面からは地元を盛り上げようという姿勢が強く感じられて、大手の新聞にはない魅力を感じます」
「新聞は社会の窓」という小寺さんにとって、目下の関心事は地方経済です。「英国のEU(欧州連合)離脱に関しても、信毎では地域企業への影響が解説されている。ぼくは地域の中小企業を盛り上げる経済政策こそが日本全体を引き上げると思っているので、信毎は地域経済が見えてくる貴重な情報源です」

教育実習に活用したい

信州大学教育学部3年 原田 錬さん(20/長野市)

社会科の高校教員を目指す原田さんにとって、大学3年の今夏は教育実習が一つの山。行き先は長野市内の中学校です。鳥取県出身で、信大入学まで長野県のことを知らなかったという原田さん。教育実習では子どもたちに身近な地元の話題を-と、地域情報が充実している信毎を素材として活用したいと考えています。「僕が担当するのは公民なので、今回の参院選の話もいいかな」
とくに、新聞には物事を多方面から捉えたいろんな意見があり、偏りがちな自身の思考を客観視できると言います。
「新聞は手にとればいつでもすぐ見直せるのもいい。忙しい朝は1面だけ見てざっくり情報を得て、気になるところを夜にじっくり読んでいます」
また、新聞の記事は資料としても役立っているそうで「情報の信ぴょう性という面で、大学でも情報源として認めてくれる。新聞で得た情報を基に掘り下げていけば研究の効率も良い」と原田さん。今年6月、池上彰さんの講演で聞いた「記事を切りためておく」ことも、今後の習慣に考えているそうです。

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