TOP2011年03月県内企業の拠点も深刻 物流混乱、小売りにも影響

 県内企業は12日、大地震に襲われた東北地方の生産拠点や事業所の状況把握を急いだ。地震や津波の被害を受けた上に、現地では依然として停電が続いており、復旧のめどが立っていない施設も少なくない。物流の混乱で生鮮食料品の一部が届かなくなるなど、小売業にも影響は広がっている。

 セイコーエプソン(諏訪市)の子会社で人工水晶などを生産するエプソンアトミックス(青森県八戸市)は、八戸港近くの海岸沿いの本社が津波被害を受けた。エプソンは「まだ津波の懸念があり、建物や設備の状況は未確認」(広報IR部)。水晶部品製造の子会社エプソントヨコム(東京)の福島事業所(福島県南相馬市)も建物や設備に被害が出ているもようだ。

 栃木県那須烏山市にある日信工業(上田市)の開発センターは、建物の天井が落下しているという。キョウデン(上伊那郡箕輪町)は、子会社でプリント基板製造の日本エレクトロニクス(福島県いわき市)の工場で配管が破損。多摩川精機(飯田市)の青森県内の4拠点は12日も停電が続き、いずれも操業再開のめどが立っていない。

 岩手県北上市の岩手工場で天井の一部が落ちるなどの被害が出た精密・電子部品製造のミスズ工業(諏訪市)は12日、本社との専用通信回線を復旧させるため、社員5人を車で現地に送った。

 一方、三陸地方が壊滅的な打撃を受けたことや交通網の寸断で、県内では一部の鮮魚や水産加工品の入荷がストップするなど物流も滞った。

 マツヤ(長野市)では12日、東京から入荷する予定だった鮮魚や乳製品、青果の一部が届かず、ツルヤ(小諸市)も鮮魚や水産加工品の一部が入荷しなかった。東北地方では食品加工会社も被害を受けており、卸のマルイチ産商(長野市)は「週明けから一部商品に欠品が出る可能性がある」とする。

 東日本宇佐美(東京)の県内のガソリンスタンドは12日、輸送の遅れなどで十分な調達量が確保できないとして、一部店舗で1台当たりの給油量を「普通乗用車は20リットルまで」などと制限した。同社上信越支店は「元売りからの仕入れ状況に応じ、各店舗で判断している」と説明。一方、北信地方でスタンド10店を経営する高見沢(長野市)は「一定の在庫がある」として、現時点で制限などはしていないという。

 12日未明に激しい揺れに見舞われた北信地方では、缶詰やペットボトル入りの水など非常食を買い求める来店客が急増。一部の商品が品切れになる店もあった。

2011年3月13日掲載

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