TOP2020年03月被災地つなぐ布草履 東北の被災者から台風19号被害の信州へ

 11日で発生から9年となる東日本大震災の被災地から、台風19号被災地へ、支援の輪―。震災で被災した宮城県、岩手県の女性たちが作った室内履きの布草履を販売する「ふっくら布ぞうりの会」(事務局・東京)が今月、長野市の台風19号被災地を支援する「寄付付き商品」の販売を始めた。1足売れると350円が、同市の被災者支援団体に寄付される仕組み。震災で家や仕事を失った女性たちの編む布草履が、信州の被災地に応援の思いを届ける。

 震災被災地での布草履作りは2011年8月、被災者の孤立を防ぎ、集まる場をつくろうと宮城県南三陸町で開かれた講習会がきっかけ。参加者から「仕事にできないか」と声があり、復興支援イベントなどで販売すると人気を集めた。編み手の育成が広がり、現在は同町のほか同県石巻市、東松島市、岩手県陸前高田市で計約30人が年間約3500足を作っている。

 インターネットサイトでの販売のほか長野市では春から秋に月1回、手作り品が並ぶ「善光寺びんずる市」で15年から市内の有志が販売。その縁で今回の支援が決まった。

 販売に携わる有志の1人、山口優美子さん=長野市=の紹介で、寄付先は同市東北部の交流拠点やサロンで食事作りに携わる有志のグループ「Hundred Hands(ハンドレッドハンズ)」を選んだ。

 編み手のグループ「石巻たんぽぽ会」の木村孝江さん(58)=石巻市=は震災の津波で自宅が全壊。家族は無事だったが、被災から2年ほどは「先行きが見えず、涙も出なかった」と振り返る。そんな中、仲間で集まって布草履を作りながら笑う時間は支えだったと言い、信州の被災者に「健康第一で暮らしてほしい。時間が解決してくれることもある」とエールを送る。

 布草履は1足5500円~5900円。通販サイト「ふっくら布ぞうりshop」(http://fukkura-shop.com/)で販売している。

2020年3月11日掲載

災害用掲示板(安否確認)