信濃毎日新聞ニュース特集

2018 長野県知事選

前哨戦、熱帯びる 県会閉会、告示へ準備加速

2018年07月07日(土)


推薦を受けた県会会派の控室を順に回る阿部守一氏=6日、県議会棟(写真右)。77市町村へのあいさつ回りをほぼ終えた金井忠一氏=6日、佐久穂町

 県会6月定例会は6日閉会し、8月5日投開票の知事選に、ともに無所属での立候補を表明している現職で2期目の阿部守一氏(57)と、新人で元上田市議の金井忠一氏(67)の両陣営は、19日の告示に向けた準備を加速させる。阿部氏はこの日、推薦を受けた県会会派を回って支援を要請。公約は12日に発表する見通しで、詰めの作業を急ぐ。金井氏は77市町村へのあいさつ回りがほぼ終了。5月に発表した第1次政策に肉付けした公約を12日に示す予定だ。投開票まで1カ月を切り、前哨戦は徐々に熱を帯びてきそうだ。


<阿部守一氏 公約輪郭、だんだんと>
 阿部氏は6日、午後の本会議に先立って午前11時すぎ、県議会棟を訪れ、知事選で推薦を受けた最大会派自民党県議団、第2会派信州・新風・みらい、第3会派新ながの・公明の控室を相次いで訪問。「知事ではなく、阿部守一という立場で伺わせていただいた」と前置きし、「選挙に臨むからには全力で、私の思いを一人でも多くの県民に伝えたい」と決意を述べ、選挙戦での支援、協力を求めた。
 12日に公約を発表する予定の阿部氏。その輪郭はだんだんと明らかになりつつある。
 「共生社会をつくることを大きなテーマとして取り組みたい」。阿部氏は5日、政策協定を結んだ社民党県連との懇談会でこう強調。人と人とが助け合い、支え合う「共生社会」の実現は阿部氏がたびたび言及しており、公約のキーワードになる見込みだ。
 「創造」「持続可能」といった言葉も盛り込まれる見通し。持続可能な暮らしや社会の実現に向け、医療態勢の強化や地域公共交通の確保などに力を入れる考えを示す。公約について6日の定例会見で「主な項目立てはほぼできつつある」と話した。
 一方、告示までは知事としての公務を優先する考え。告示後は基本的には選挙活動に専念するとし、「平成の大合併」前の旧120市町村のうち、岐阜県中津川市に編入合併した旧木曽郡山口村を除く旧119市町村を回り、「自分の目で地域の現状を見る選挙戦にしたい」とする。6日の会見では「告示日以後はいろいろなところを回って思いを伝えるのと同時に、県政に関心を持ってもらえるように努力したい」と述べた。


<金井忠一氏 ほぼ全市町村で懇談>
 金井氏は6日、南佐久郡佐久穂町を訪れて、町関係者らと懇談。県森林づくり県民税(森林税)の有効活用や原発の在り方などについて意見を交わした。5月15日の出馬表明後、県内各地を回って市町村幹部や地域住民らと懇談を重ね、この日でほぼ全ての市町村を回り終えたという。
 金井氏は6日の取材に「県民が県政に不満を抱いていることを改めて実感した」と説明。大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件は「大北地域の首長をはじめ、県の対応に納得していない声を各地で聞いた」と振り返る。一方、「県民から県政が遠く、何が起きているのか伝わっていない」とも話し、県政の実情を伝えることが自身への支持拡大につながるとみる。
 金井氏は5月末、基本姿勢に「憲法を生かし、県民に寄りそうあたたかい県政」を掲げる第1次政策を発表。「大型公共事業推進から、暮らし優先へ」など現県政から「三つの転換」を目指すとした。
 金井氏を支援し、共産党県委員会や県労連などでつくる「明るい県政をつくる県民の会」は、これまでの懇談で寄せられた県民からの意見を集約している。12日に県民の会の団体・地域代表者会議を開き、5月末に発表した第1次政策に県民意見を反映させた公約を示したいとする。
 陣営は、阿部氏が自民党などの政権与党から推薦を受けていることを踏まえ、「阿部氏では国の悪政に物が言えない」と主張。告示に向け、安倍政権に対する批判と合わせて「国政や新潟知事選で進んだ『野党と市民の共闘』を県内でも広げながら支持拡大を図る」としている。