信濃毎日新聞ニュース特集

2018 長野県知事選

県政の未来図、浸透急ぐ 立候補予定2氏の公約出そろう

2018年07月14日(土)

 8月5日投開票の知事選は、現職で2期目の阿部守一氏(57)が12日に基本政策集を発表したのに続き、新人で元上田市議の金井忠一氏(68)が13日、最終的な公約を発表。立候補を予定する2氏の公約が出そろった。阿部氏は県政運営指針「総合5か年計画」をベースとしつつ、六つの重点分野を掲げて「阿部カラー」を打ち出す。金井氏は「県生活と健康を守る会連合会」会長として生活相談に向き合ってきた経験を前面に押し出したい考えだ。19日の告示まで1週間を切り、両陣営とも急ピッチで浸透を図る。
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<阿部氏 5か年計画に加え独自色>
 「長野県が全国で最も元気で安心して住み続けられる県になるよう全力で取り組む」。阿部氏は13日夜、佐久市のホテルで開いた支援者の会合で、12日発表した公約で掲げた重点分野を紹介。産業や観光の振興、医療や教育分野の施策に注力すると強調した。
 12日の発表会見では、本年度からの総合5か年計画について「かなり私の思いを盛り込んでいる」と説明。実際、「学び」「働き」「生活」「産業」「技術」「共生」の六つの重点分野に掲げた138項目の多くは総合5か年計画の内容と重なり、「着実に責任を持って進める」とした。
 阿部氏は3期目の公約づくりに向け、5~6月に県内6カ所で県民との対話集会を開催。集会では若い世代との対話を重ねたとし、女性の就業に向けた保育の充実、起業家やベンチャー企業の支援強化などを盛り込んだとする。
 一方、重点分野のほかに「自治力」の強化として19項目を列記。国に対して一層の地方分権を求めるとしたほか、県内10カ所の地方事務所を改組して昨年度発足した地域振興局の機能強化などを挙げた。「分権型の予算編成」を掲げたことには「試行錯誤だが、各部局が責任を持って予算を編成することが県民ニーズに応えるには望ましい」と述べ、県政運営における問題意識の一端をのぞかせた。
 19日の告示後は基本的に選挙活動に専念する方針。12日の会見では「私の考え、思いを県民の皆さんにしっかりと伝え、一人でも多くの皆さんの理解や共感を得ながら県政を進めたい」と述べた。


<金井氏 生活相談の経験を前面に>
 「日ごろ生活相談を受ける中で多い分野である上、県内各地で懇談しながら一番大切だと肌で感じた」。長野市で13日に記者会見した金井氏は、この日発表した5項目の重点政策のうち、「教育オール無償化国民健康保険料の軽減」をタイトルに教育と医療・福祉を最重点に掲げた理由をこう説明した。
 格差是正や貧困解消に取り組む「県生活と健康を守る会連合会」の会長を務め、今でも多い日は1日に3件の生活相談に応じている。5月15日の立候補表明後、県内各地で市町村の首長や住民と懇談。同会として県に要望しているが、特に医療・福祉を巡る阿部氏の県政運営を「冷たい」と批判し、子どもの医療費の「完全無料化」や給付制奨学金の充実を前面に打ち出す。
 「大型開発推進から、暮らしを支える」など現県政からの「三つの転換」を掲げ、45項目からなる第1次政策を5月末に発表。この日、共産党県委員会や県労連などでつくる支援組織「明るい県政をつくる県民の会」の細尾俊彦代表委員(県労連議長)は「より県民に分かりやすく伝えるため、5項目の重点政策として練り上げた」と強調した。
 大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件は、県内で懇談する中で「異常に感じている首長は多い」と指摘。引き続き、同事件を巡る県の対応を争点化する考えだ。金井氏は「(生活相談や懇談での経験に)裏付けられた重点政策となり、選挙戦で地に足の着いた論戦をするための土台ができた。あとは訴えていくだけだ」と力を込めた。