信濃毎日新聞ニュース特集

2018 長野県知事選

投票率向上、願う終盤 両陣営注目

2018年08月04日(土)



 5日投開票の知事選で、現職で2期目の阿部守一氏(57)と、新人で元上田市議の金井忠一氏(68)の両陣営が投票率の行方に注目している。知事選の投票率は2006年から3回連続で下落。14年の前回選は43・56%と初めて50%を下回り、過去最低を更新した。5日も厳しい暑さが予想され、伸び悩むとの見方も出ている。一方、信濃毎日新聞社が3日までの県内19市の期日前投票者数をまとめたところ、前回選の同時期を4万3750人上回った。選挙戦最終日の4日、両陣営は人出を求めて各地に繰り出し、最後の訴えを展開する。
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 「全身全霊を県政にささげる」「投票所に足を運んでください」。阿部氏はこの日、南信地方を遊説し、こう力を込めた。街頭演説では若者支援など重点政策の説明に時間を割き、投票率に触れることは少なかったが、応援演説した県議や市町村長らが投票率に言及する場面は、終盤になるにつれて増えた。
 「猛暑もあり、各地で訴え続けている学校へのエアコン整備は特に有権者からの反応が良い」。主に中信地方を回った金井氏はこの日、松本市のJR松本駅前で取材にこう話し、投票率の高まりに期待した。金井氏を支援する「明るい県政をつくる県民の会」は、加盟団体に対して投票を呼び掛けている。
 知事選の投票率は、田中康夫氏が初当選した2000年は69・57%、出直し知事選で田中氏が再選した02年は73・78%を記録。ただ、村井仁氏が田中氏を破った06年は65・98%に低下し、10、14年と下落が続いている。
 投票率は当日の天候にも左右される。過去最低だった14年の前回選は投開票日に台風が最接近したことも影響した。長野地方気象台によると、5日は全県で曇り時々晴れの予報。最高気温は長野市で36度との予報で、引き続き厳しい暑さとなる見込みだ。
 投票率は県政への関心を測るバロメーターの一つと言える。それだけに両陣営とも投票率が上がることを願う。
 阿部氏陣営の幹部は、期日前投票者数が思ったより多い―としつつ、近年の低投票率や猛暑の影響を懸念。「前回並みには達してほしいが、下がる要素もある」とみる。終盤にかけては支援団体などに対して投票率アップの呼び掛けを強め、別の幹部は「40%はキープしたい」とする。
 金井氏陣営の幹部は「前回選並みの投票率か、下がったとしても40%台を切ることはないのではないか」と分析する。県内各地で開いてきた個人演説会の参加者数は予想を上回る状況といい、別の幹部は「知事選に対して、極端に関心が低くなっているとは言い難い」としている。


<期日前投票、全19市で前回超え 15日間>
 信濃毎日新聞社が県内19市について、知事選告示翌日の7月20日から8月3日まで15日間の期日前投票の状況を調べたところ、投票者数は19市全てで前回選の同時期を上回り、計15万1745人だった。19市の有権者数(7月18日現在)に占める割合(投票率)は10・79%で、前回選の同時期より3・00ポイント上昇。ただ、投票者の伸びは制度が定着したためとの見方もあり、最終的な投票率は見通せない。
 投票率が最も高かったのは小諸市の17・25%。安曇野市が14・21%、上田市が13・87%など12市で10%以上となった。知事選で初めて「18歳選挙権」が適用されたことも、投票者数増加につながったとみられる。茅野市選管は投票所の立会人に高校生や大学生を起用したこともあり「若者の投票が目立つ」とする。
 これまで当日に投票していた有権者が前倒しして投票した結果―とみる向きもある。期日前投票者数が前回同時期より3千人以上増えた松本市選管は「最終的な投票率は現時点で見通せない」とする。
 知事選に合わせて県議補選が行われる長野市、岡谷市も投票者数を伸ばした。岡谷市選管は「県議補選が知事選の期日前投票者数の底上げにつながっている」とする。
 期間中は連日、記録的な猛暑に見舞われ「昼から夕方の投票者が少なく感じる」(飯山市選管)との声も。東御市選管は「晴れても暑さが続くと投票行動にマイナスに働く可能性がある」と危ぶむ。
 前回選の最終的な期日前投票者数は告示前日時点の有権者の10・86%に当たる19万334人で、期日前投票制度導入後の知事選では過去最多を記録。しかし、最終的な投票率は43・56%と過去最低を更新し、期日前投票の伸びと比例しなかった。