後半距離でラストスパートをかける渡部暁斗選手に声援を送る住民ら=20日午後10時7分、白馬村多目的ホール

渡部暁選手に地元白馬は拍手 全力尽くしたヒーロー「誇り」

201802/21

 北安曇郡白馬村出身の渡部暁斗選手が平昌冬季五輪ノルディック複合個人ラージヒルで頂点を目指した20日夜。村多目的ホールでは大画面で観戦するパブリックビューイング(PV)があり、村民ら約200人が熱い声援を送った。後半距離の最終盤で逆転され、メダル獲得を逃した渡部選手。ゴール後、その場に倒れ込む姿が画面に映し出されると、静まり返ったPV会場は一転、大きな拍手に包まれた。
 前半飛躍で渡部選手は最終の48番目に登場。住民らは「暁斗ー」と声援を送り、着地の瞬間には「よーし」と声を上げた。首位でスタートした後半距離は、懸命な走りで最終周までトップを競り合った。だが、スパートをかけたドイツ勢に差を広げられ、会場には悲鳴のような声が。その後、ゴールまでの数秒間静まり返った会場。全力を出し切った姿が映ると拍手が沸き起こり、この日一番の盛り上がりとなった。
 渡部選手の母校、白馬北小のクロスカントリースキー部で競技に打ち込む3人は会場の最前列で見守った。
 同部の児童らは8日、韓国入りした渡部選手と弟の善斗選手に、「メダルを目指して頑張れー」とビデオメッセージを寄せていた。同部コーチで、渡部暁斗選手の小中学校の同級生、青山佳奈里さん(29)は「暁斗は子どもたちのヒーロー。誇りに思う」。
 渡部選手を中学時代に指導した村スキークラブジャンプコーチの中村清志さん(42)は、「金メダルを取ってほしい」と祈るような気持ちで観戦した。中学時代から「世界で戦ってくれる」と期待し、4年前のソチ冬季五輪からは金メダル獲得への夢を膨らませてきた。
 ゴール後、疲労で倒れ込んだ渡部選手に大きな拍手を送り、「白馬のみんなの声援は届いていたと思う。よく頑張ってくれた。白馬に戻ってきたらお疲れさまと言ってあげたい」と話し、涙を浮かべた。
 渡部選手が「スーパーバイザー」を務めている母校白馬高校の北村桂一校長(58)は、「挑戦する姿勢が伝わってくる素晴らしい試合だった。ありがとうと伝えたい」と話していた。