怪しいTV欄

2019.4/21

森友事件「終わらせぬ」新しい力

 「森友事件のいま このままでは終わらせない」。はっきりと意志表明をした、強い番組タイトルです。テレビ東京で先月26日深夜の「ザ・ドキュメンタリー」枠で放送されましたが、放送前からタイトルがネットで拡散。そして番組は、You Tube(ユーチューブ)のテレ東NEWS公式チャンネルで公開されています。

 局としての押し出しの強さ、その理由の一端は、番組を見るとすぐにわかります。問題発覚前から森友学園への取材をしており、渦中にあって自殺した近畿財務局の職員の父親が、昨秋初めてテレビのインタビューに応じたのもテレ東だと、説明があるからです。

 そのインタビューも含め、今回の素材は夕方や夜のニュース枠で放送されたものが少なからずあります。つまり、最初から1本のドキュメンタリーとしてつくられたのではなく、ニュース素材に肉付けがなされたもの。

 それを「ザ・ドキュメンタリー」枠で放送。しかも、ネットで現在も公開中。この取材内容を見てほしい、広まってほしい、そのことを強く感じます。

 だからぜひ、番組を見ていただきたい。

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 正味30分弱のうちの冒頭8分ほどでまず、ことの全容を振り返ります。森友事件の報道は最近減っており、だからこそ「このままでは終わらせない」というタイトルが採用されているわけですが、あらためて見ると、これがどれほど異様な一件であるのか、よくわかります。

 森友学園が開校する予定だった瑞穂(みずほ)の国記念小学院の名誉校長として、総理夫人の安倍昭恵氏が保護者の前で講演をする2015年の映像。森友学園の幼稚園の教育を称賛し、「普通の公立の学校に行くと、普通の教育を受ける」から、「せっかく芯ができたものが」「揺らいでしまう」と国が行う小学校教育を否定さえしてみせます。

 こうした事実がありながら、安倍総理は国会で「私や妻が関係していたということになれば」「総理大臣も国会議員も辞める」と発言しました。そして、その直後、近畿財務局で公文書の改ざんが始まっていたことがのちに明らかに。

 しかし当初は、改ざんを認めず。本省の指示でその作業をしていた職員Aさんが昨年3月に自殺。その3日後に改ざんを認めたものの、本省幹部は罪に問われることなく。事態はいまだ解明されず、今日に至ります。

 最近では、「いつまでも森友事件をこねくりまわして、他の審議を遅らせている」と野党批判の材料として定着さえしつつあって。

 看過できないと動きだしたのは、近畿財務局のOBたち。名前も顔も明かして取材に応じ、講演活動を続けています。「公務員だけで文書の改ざんなんてありえない」「何かの違う力が働いた。それが政治圧力ですよ」

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 このままでは終わらせない。まさに、その言葉通りであるべきです。そうでなければ、昭恵氏の表現を借りれば、「普通の国」でなくなってしまう。

 と同時に、今回のように長い取材を1本の番組にまとめ、ネットに置いていつでも見られるようにするのは、テレビ報道の新しい力になると思いました。