怪しいTV欄

2021.12/03

眞子さんの結婚を巡る長い報道

 秋篠宮家の長女眞子さんの結婚について、テレビでの報道がどうやらいったんの収束を見たようです。始まりは2017年の5月。実に長かった。

 雅子皇后や秋篠宮家の紀子妃と同世代で、そのけたたましい結婚報道を見てきた者としては、この騒ぎはむしろ意外でした。当時とは世の中の興味のありようも変わって、耳目を集めるとは思っていなかったからです。また、テレビ業界が高齢者の視聴データを重要視しない方針が明確になっていく時期でもあったので、そう長くは続けないだろうとも。

 結果として長くなったのには、ひとつ明確な理由があります。報道の始まりは「婚約が内定」というもので、NHKのスクープでした。従来なら、宮内庁は否定するはず。否定を経て、宮内庁が設定した時期にしかるべき発表がなされるのが順番と心得ていたのですが。一斉に婚約相手とされる人物と周辺の取材、報道が始まりました。まだ婚約していないのに。宮内庁が否定しないのも、国を愛していると自己紹介するネットの住人がこういう取材を無礼だと激しく叩いたりしないことも、不思議でした。

 スクープ報道は、天皇の退位特例法の閣議決定が予定されていた3日前のタイミング。その特例法では女性宮家の問題をどうするかも大きな争点になっていましたから、ここから始まる長い報道を、女性宮家のことを念頭に置きながら注視してきた人は少なくないと思います。

 私がここまで耳目を集めると思わなかったのは、現上皇の長女清子さんの結婚がそう騒がしく報道されなかった記憶からでもあります。04年頃のことです。

 でも、忘れていました。その後に当時は慶応大の非常勤講師でもあった竹田恒泰が、「旧皇族の竹田家出身」をセールスポイントにテレビ出演するようになったことです。いくつかの番組に皇族について解説する役割を担って重宝がられるうち、タレントとの交際を望む発言など変わった言動が面白がられるようになっていきました。彼の存在は大きくなくても、「旧皇族」というキャラクターがテレビの中に存在し、皇族についてあれこれとバラエティーの文脈で消費することを視聴者の皆さんが経験したわけです。

 さらにもうひとつ忘れていたのは、眞子さんの妹の佳子内親王がある時期から、その容姿を取り沙汰されてきたことです。「アイドルみたい」という形容も多く聞かれ、写真が週刊誌にもネットにもあふれています。「アイドルみたい」な興味の対象になっている妹へのその興味が、眞子さんの結婚への興味の苗床になることにも私は気づくべきでした。

 また最近は、出演者のちょっとした言及に応じて画面にあげる顔写真にも許可が必要とされていて似顔絵で対応せざるをえない場面が多いのですが、公人である皇族はその範疇に当たらないことも、この話題が長く続いたことに影響したかもしれません。

 かくして3年半以上続く騒ぎとなりました。この間で私が最も衝撃を受けたのは、眞子さんを家族が送り出す際の、姉妹の抱擁です。皇族については概念としてとしか理解できませんが、そこにあったのは誰もがよく知る家族であり、身体でした。