ほり川―長野市青木島

野沢菜(季節限定)

幅7.8㎝x厚さ3.8㎝ 122g 野沢菜塩漬け、人参 (醤油、砂糖、塩、粉末だし)

なす(季節限定)

幅7.5㎝x厚さ3.3㎝ 113g ナス(味噌、砂糖、植物油、粉末だし)

あんこ

幅7.0㎝x厚さ3.5㎝ 135g 小豆(砂糖、塩)

 とにかく仲のいい姉妹です。4人姉妹の長女真理さんと四女の史江さん、2人が営む「ほり川」は、ほっこりとして笑いが絶えない居心地がいいお店。真理さんは調理担当、史江さんはフロアー担当。お互いの長所を生かしてお店を盛り立てています。
 ほり川誕生のきっかけは、なかなかユニーク。姉妹の母親安子さんが、通っていた料理教室でおやきを習います。そのおやきを祖母のナカさんが友達に振る舞ったところ、そのおいしさが評判に。「おやき屋をやろう!」と思い立ったナカさんが、すぐに店を開いたとか。
 人が喜ぶことが大好きなナカさん。入れ替わり立ち替わり助っ人に入る知人の方々も多く、おやき屋は繁盛したそうです。が、旅行やゲートボールも大好きなナカさんは立ち上げてから4、5年で引退。代わっておやき屋を継いだのが、安子さんの姉イサオさんでした。
 「この叔母がスーパーウーマンで、一人で何から何まで全部こなしていたんです。仕事に対する姿勢はストイックで頑固でしたね」と史江さんは振り返ります。
 ところが、その史江さん自身が22歳の時、「わたしがおやき屋をやる」と宣言することに。きっかけは父親がおやき屋の地所をビルにすると言い出したこと。それまで、自分の家がおやき屋であることを隠すほどおやき屋が嫌だと思っていたという史江さんですが、閉店すると聞いた瞬間、自分がやりたいと強い思いが湧いてきたのだそうです。
 史江さんも思い立ったら即実行。ビルの代わりに風情あるおやき屋になり、イサオさんはおやきを作る人、史江さんはお店を切り盛りする人になりました。史江さんの出産を機に姉の真理さんも加わって3人態勢に。
 「叔母には感謝しかないですね。今のお店の基礎は全部叔母が作ってくれたもの」。イサオさんの仕事ぶりを「"AI(人工知能)"みたい」にきちっとしていたと評しながら、「わたしたちにはとても真似できないです」。そのイサオさんも2016年に引退。今では姉妹の理想とする店作りができつつあります。

 ほり川のおやきは、油で揚げた後に蒸かす揚げ焼きタイプのおやき。水分量が7割ほどの生地を手油で生地を広げて具を包みます。生地はもっちり、ボリューム満点で食べ応えもしっかり。定番のみっくす、にら、きのこ、あんこ、切り干し大根の他に、季節おやきのなす、野沢菜。ここまでは王道のおやきですが、平日限定の季節おやきは、中華まん、じゃがバターチーズ、マカロニグラタン、八宝菜。土日限定の季節おやきはスイートポテト、豚にらキムチ、ヤンニョムチキン、ラタトゥイユ―――と、ほんとに国際色豊かで楽しいおやきが目白押し。
 おやきと同様に人気なのがカフェ。季節変わりパフェ、おしるこ、あんみつ、コーヒーゼリーなど見た目もかわいい甘味が勢ぞろい。特に季節ごとに変わるパフェは絶品です。
 真理さんは朝6時からおやきの具を仕込み、スタッフが出勤すると8時からおやき作りスタート。史江さんとフロアスタッフは営業開始の9時からです。
 料理好きで手早な真理さん、社交的で接客が好きな史江さん。6歳違いの姉妹なので、「子どもの頃は妹が幼な過ぎて、喧嘩はおろかおしゃべりをした記憶もほとんどないんです」と真理さん。でも20年近く一緒に仕事をしているうちに、姉妹というよりは親友と言えるほど、全面的に信頼しお互いをリスペクトする存在になったのだそうです。
 そんな2人の関係性がお店のスタッフにも波及効果を与えているようで、「人にはとっても恵まれているんです。厨房スタッフはまじめでコツコツ、フロアスタッフは明るくて元気はつらつ。ほんとにいい人たちが集まってくれてます」。真理さんは一言一言、かみしめるように話します。
 これからは全国発送をもっと展開していきたい、お店のほっこり感をもっと伝えていきたい、と考えている2人。「ディズニーランドみたいに人がたくさんいる所へ行くと、おやきを知らない人たちがまだまだこんなにたくさんいるんだと思って、おやきをもっともっと広めたい!知ってもらいたい!って気持ちが熱くなるんです」と史江さん。おやきという郷土食に「自分たちが携われるってすごい!」と思う反面、将来途絶えさせてはいけないと考えています。そのためにも、若い人たちを取り込む方法を模索中。そんな2人の熱い思いが楽しいおやき作りに繋がっているのですね。
 「おやき屋で辛い時期もあったけど、今はおやき屋になって本当によかったなあって思って周りに感謝してます。姉もわたしもこの幸せを皆に届けたいんです。結局は、ナカおばあちゃんと一緒ですね!」
 そう言って笑い合う姉妹の屈託のなさが、このお店最大の魅力なのだと思いました。


ほり川
代表 堀川真理
創業 昭和54年
長野市青木島2-2-1 ℡026-284-5377

若い女性を中心にファンが多くランチタイム、カフェタイムともに賑わうアットホームな店。
揚げ焼きタイプのおやきはボリュームもあり、ランチタイムにはチーズやピザソースをトッピングした変わりおやきセットも人気。

真理さん(左から2人目)、史江さん(右端)とスタッフのみなさん

価格 野沢菜205円、なす205円、あんこ183円(税込)
生地 中力粉

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