荘厳で雄大な地球のルーティン ―タイムラプスを撮る その13

 タイムラプスは一般的な動画とは違い、連続的に撮影した写真からできている。今回は、一番ワイドなレンズを選び、40秒に1枚の写真を撮ることにした。カメラの下に24時間で一周するよう可動式の台座を設定し、カメラ本体は外部バッテリーに繋ぎ、48時間ほど回転しながら撮影し続ける。撮れる枚数は3000~4000枚。これらの写真を繋げることで2~3分の動画になる。48時間の間、ピントやバッテリー切れ、999枚で止まってしまうカメラを再設定したりなども気を遣うところなのだが、なにより露出が難しい。時間によって刻々と変わる明るさを、カメラの露出設定を微妙に変えて撮らなければならない。日の出、月の出、オーロラなどは露出に苦戦することが予想される。
 タイムラプス撮影中は、カメラのそばから離れられない。ザックを担いで歩くより体力的には楽なのだが、休むためのまとまった時間を取れなくなるのが辛いところだ。本当は3時間くらいは続けて寝たいが、撮影中はそれも諦める必要がありそうだ。まあいい、帰国したらたっぷり寝よう。

 設定を終え、三脚を据え終わる頃には日も沈んでいた。というのも、三脚が飛ばされるほど風が強かったので、三脚の足回りに岩をいくつも重ねて1メートル近くの高さまで囲ったり、カメラの周りに動けるスペースを確保したりで時間がかかったからだ。
 20時、少し雲がかかっていたが、準備が終わったハイな気持ちに任せ、撮影をスタートした。始めのうちは20~30分に1回くらいは、バッテリーや台座の調子を確認する。空には雲があるようだが、三脚もしっかり固定され、各設定も問題なさそうだ。
 6時頃、台座が4分の1回転したあたりで、一つ問題点に気づいた。このままカメラが回転を続けると、三脚の下に固定したモバイルバッテリーと繋がっているケーブルが絡まってしまう。先に一回転させた状態でつなげば、逆にほどけるようになっていくので、次のシャッターが下りるまでの40秒間に少しずつ直してみた。空に目を凝らすと、その頃には星が少し見え始め、空の雲が無くなっていた。
 いよいよ舞台が整ったようだ。「本番はこの日の出からだな」。そう感じた。

 このタイムラプス(動画あり)は、この日の出の直前からスタートする。
 雲がすっかり無くなって、はるか遠くまで見渡せる中、日が昇ってくる。ブルックス山脈の上空を太陽がぐるっと回る。オレンジ色の夕焼け、黄金色の月の出。それとほぼ同時に空を舞うオーロラ、20時間以上のあいだ空に浮かぶ月。そしてまた太陽が昇ってくる。
 僕にとって、最も荘厳で雄大な、この星のルーティンだ。
 地球を想像してほしい。いつもそう思っている。忙しい毎日の中ではそれが難しいこともわかっている。この渾身のタイムラプスを通じて、この星を感じてもらえたら何よりだ。

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