信濃毎日新聞ニュース特集

新型コロナウイルス

2020年3月 6日

家庭での感染防ぐために

 各地で感染が広がる新型コロナウイルス。インフルエンザなどと同じように、ひとたび感染者が出ると、一緒に暮らす家族に感染するケースが多数報告されています。家族がかかっているかも...と思った時、家庭でうつらないようにするにはどうしたらいいでしょうか。予防法をまとめました。

<触れたもの、消毒徹底を>

 東北医科薬科大病院(仙台市)が2月下旬、各家庭でできる具体策をハンドブックにまとめ、公表したので、それを参考にしよう。

 まず大切なのは、家の中で多くの家族が触っているところをしっかりと消毒することだ。家族の誰かが感染していた場合、その人が家の中で触ったところはウイルスが付いている可能性がある。そこを触った手で目や鼻をこすったり口を触ったりすると、周りの家族もうつってしまう恐れがある。

 ハンドブックでよく注意してほしい箇所として例示されるのは、部屋のドアノブ、テレビなどのリモコン、照明のスイッチ、トイレの便座や流水レバーなど=図。家の中で自分がよく触るところは、他の家族も頻繁に触っていることが多いだろう。

 気が付きにくいところもあるが、自分が普段、どこに触れているか意識すると消毒ポイントを見つけやすい。消毒の目安は1日1、2回。消毒液かアルコールを含んだティッシュなどで拭くといいという。

 しかし今は、使い勝手の良い市販の消毒液は、新型コロナウイルス感染の広がりで品薄になっている。もし、まな板やふきんなどを除菌するときによく使う塩素系漂白剤が自宅にあれば、それで消毒液を作ることができる。

 例えば、「キッチンハイター」(花王)、「ドメスト」(ユニリーバ・ジャパン)といった商品だ。次亜塩素酸ナトリウムが入っている。作り方は簡単で、水2リットルを入れたペットボトルに10ミリリットルを入れれば出来上がり。嘔吐(おうと)物など汚染度が高そうなものを拭くときには濃度を高めるといい。ゴム手袋をして作業しよう。

 換気も大切。1~2時間の間隔で窓を5~10分ほど開け空気を入れ換える。家の中にいるウイルスの量を減らすことで家庭内感染のリスクを減らそう。

<看病をする人は1人に>

 国内では、新型コロナウイルス感染者の入院体制が十分に整ってはいない。一度に多くの患者が押し寄せて医療崩壊になることを防ぐため、政府は軽症者に対してできる限り自宅療養するよう求めている。自宅で看病に当たる機会も増えるかもしれない。

 そうした場合、家族で相談し、世話をする看護者を1人に決める。万が一の場合、家族の中で感染者を増やさないためだ。

 感染者専用の部屋も用意し、他の家族との生活空間を分ける。マスクと手袋を着けて感染予防をした上で看病に当たり、看護者も毎日2回体温を測定して、うつっていないか確認する。

 厚生労働省も今月1日に家庭内での注意点を公表した。心臓や肺、腎臓に持病がある人や妊婦は、うつると重症化する恐れがあるため看病は避けるよう説明している。家の間取りなどから、部屋をうまく分けられないときには仕切りやカーテンを活用し、同じ部屋で寝ざるを得ないときは、頭の位置を互い違いにする工夫を―と呼び掛ける。

   ◇   ◇

 他に気を付けたいのが、感染者が使ったティッシュなどのごみを部屋に散乱させないこと。ごみ箱にはあらかじめビニール袋をかけておき、その中に入れる。袋を縛るときに、中のごみに手が触れないよう気を付けよう。

 また、感染者が着た服や、使った布団、枕カバーはウイルスが付いている可能性がある。洗濯する場合、まずは80度の熱湯を入れたバケツを用意し、その中に10分以上浸して熱湯消毒をする。その後、通常通り洗濯をしよう。熱に弱い素材もあるので確認を。

 食器やタオルなど、口にしたり触ったりする物の共有を避けるのも大事だ。

 ウイルスは目に見えない。治療薬やワクチンはまだなく、不安は募る。どんな対策も完璧とは言えないかもしれないが、家庭内で起きる身近な感染リスクを少しでも下げる取り組みが欠かせない。