信濃毎日新聞ニュース特集

2019参院選

長野、投票用紙誤交付44人 参院選比例代表と4月県議選混同

2019年07月08日掲載

長野市選管が参院選比例代表の投票用紙(右)と誤り、7日朝に交付した県議選の投票用紙(左)(写真上)。記者会見で謝罪する長野市選管の小林博委員長(中央)ら=7日、長野市役所

 長野市選挙管理委員会は7日、市役所に設けた参院選の期日前投票所で、有権者44人に比例代表の投票用紙と取り違え、誤って4月にあった県議選の投票用紙を渡すミスがあったと発表した。公選法に基づき、誤った用紙による投票は無効票として扱われるほか、「1人1票の原則」から対象者に改めて投票用紙は交付できない。記者会見した市選管の小林博委員長は「信頼を失墜する事態を招いた」と謝罪し、再発防止に努めるとした。

 県選管によると、県内では2016年の参院選で、須坂市選管が県区と比例代表の投票用紙を取り違えて渡すミスがあったが、期日が違う別の選挙の投票用紙と取り違えるミスは「近年では聞いたことがない」と説明。長野市選管のずさんな選挙事務が厳しく問われそうだ。

 市選管によると、県議選の投票用紙を誤って渡したのは、7日の期日前投票が始まった午前8時半から1時間ほど。45人目の投票者が投票用紙の誤りに気付き、市選管職員に指摘した。県区の投票用紙は正しく渡していた。誤った用紙で投票した44人には、同日から説明と謝罪を始めた。

 投票用紙は「県議選」「参院選比例代表」などと選挙別に箱詰めにされ、市庁舎内の同じ倉庫で保管。職員がこの日朝、県議選で未使用だった投票用紙の箱から1500枚を取り出し、選挙種別を確認せずにこのうち500枚を自動交付機にセットしたという。

 市選管は、参院選比例代表と県議選の投票用紙がともに白地に赤文字で印刷され、大きさや紙質も同じだったため、職員が混同したと説明。複数の職員が用紙に記載された内容を確認するなどの基本的な作業を怠ったとした。

<市選管、投票機会奪う形に>

 長野市での投票用紙の取り違えは、2017年に同日投票の市長選と市議補選で起きたばかりで、再発防止が徹底されていなかった。今回の参院選で誤った投票用紙を渡された44人の票は、無効票となり、改めて投票もできない。有権者に積極的な投票を呼び掛ける選管が投票の機会を実質的に奪う形となり、有権者からは「しっかりしてほしい」との声が上がった。

 「職員が投票用紙の色しかチェックしていなかった」。市選管は7日の記者会見でそう釈明した。今回の参院選の投票用紙は、県区がクリーム色で比例代表が白色。両方の投票用紙を取り違えないための工夫で、用紙の右上には県区に選挙区を示す「選」、比例代表に「比」の字も入っている。市選管のマニュアルでも、色の違いをしっかり区別するよう求めていた。

 しかし、今回起きたのは「既に終了した県議選の投票用紙が紛れ込んでいた、考えられないミス」と市選管。県議選の投票用紙は、未使用分も県議の任期末まで取っておく必要があり、参院選比例代表の用紙と同じ倉庫で保管。ともに白い用紙に赤い文字で、職員が混同したという。

 「市選管から渡されたら、当然、正しい用紙と思う。選管には慎重になってほしい」。同日夕、長野市役所の期日前投票所で投票を済ませた教員の女性(60)はそう話した。県選管は6月10日に県内市町村の選管担当者を集めた会議で、投票用紙の交付ミス防止などの徹底を求めていたと説明。「週明けにも改めて注意を呼び掛ける」としている。