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衆院選で投票に迷っている人へ マッチングサイトやネットにあふれる情報 活用のこつを紹介

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 いよいよ衆院選の投開票日。 「投票に行こうか迷っている」「誰に投票したらいいの?」と感じている人はいませんか? インターネット上で、主に若者を想定して選挙を「分かりやすく」「身近に」感じてもらう試みが広がりつつある。候補、陣営の情報発信も活発だ。どう使うべきか。その意義や注意点も専門家に聞いた。

(松沢佳苗、伊吹あすか)

■マッチングサイト 投票先を決める参考に

 都内の選挙情報会社が運営するサイト「選挙ドットコム」では、20項目の質問に回答すると、自分の考えに一番近い政党を判定する「投票マッチング」を今回の衆院選で初めて開設した。グーグル・トレンドの政治について関連する検索キーワードで「急激増加」となり、人気のもようだ。

 新型コロナウイルス対策で、政府がロックダウンなど私権を制限できるよう法改正すべきか―などの質問に、「賛成」「やや賛成」「中立」「やや反対」「反対」のいずれかを選んでいくと、各党とのマッチング度がパーセンテージで示される。

 各質問には賛成、反対それぞれを選択した場合のメリット、デメリットを短文で表示。「詳しく知りたい」を選ぶと、現状や政府の対応、方針などを知ることができる。

 ただ、サイトには「あくまで参考情報」との注意書きが。運営会社の担当者は「選挙に関心を持ち、考えるきっかけにしてもらうのが目的」と話す。サイトをきっかけに、政党のサイトやマニフェストを見てみる―といった流れに期待。「『選挙あるんだ』と思ってもらえるだけで成功です」と話す。

 今回の衆院選では、ほかに、JX通信社(東京)と日本テレビ(同)が運営する「2021衆院選あなたの考え方診断」など複数のマッチングサイトが開設されている。大まかな政策を把握し、自分の考えと対比できる。

 信濃毎日新聞は、早稲田大マニフェスト研究所の「マニフェストスイッチ」に沿って、小選挙区候補者12人について、政治家を目指した理由、日本の目指すべき将来像、解決したい課題、解決するための重要政策、政策注力分野の回答を集めた特集「衆院選マニフェストスイッチ 未来つくる一票」を展開している。

 特集紙面は複数の高校で主権者教育の教材として使われている。この信毎webでも閲覧することができる

 (紹介したサイトや記事は、記事の最後にURLがあります)

■各候補もSNSや動画投稿サイトで、より身近に

 県内小選挙区の候補たちも、ネットでの発信を工夫している。届け出サイトで訴える以外に、動画サイト「ユーチューブ」やSNSを通じて、より身近に感じてもらおうとしている。

 ある新人は、選挙運動の前後に、意気込みやお礼を伝える短時間の動画を投稿し続けている。かすれた声で「何とか喉、もってます」と訴える。前職の1人は、街頭演説をフェイスブックでライブ配信。会場の支持者とグータッチや記念撮影で触れ合う様子を流した。

 より"有権者目線"で発信する候補も。別の新人は、地域の声を活動報告に掲載。将来田んぼが耕作放棄地になる可能性があるといった不安を踏まえ、「しっかり皆さまの課題を受け止めて参ります」とコメントした。

 別の新人は、全国民に最低限の生活費を支給するベーシックインカムを動画で説明した。聞き手の感想を「ふーん...(よくわかってない)」と字幕で入れ、親しみやすく演出している。

■最後は自分で決める

 マッチングサイトや候補側の大量の情報発信をどう受け止めていけばいいか。若者の政治参加に詳しい信州大教職支援センター准教授の荒井英治郎さん(40)は「候補アンケートやマッチングサイトは、今まで『分からない』と閉ざしていた扉を開けるきっかけとしては有効。ただ、結果をうのみにせず、公約を比較するといった使い方が望ましい」と指摘する。

 分かりやすさを求めがちだけれど、世の中はもっと複雑だとし、「自分が一番関心を持てそうな政策分野に絞り込んで考えてみては」。具体的な施策をどれだけ示しているか、数値や金額などのエビデンス(科学的根拠)を出しているかなどに着目していけば「自分の『推し候補』が見えてくるはず」という。

 若者は自分の意思や気持ちで物事を決める経験をあまりしてきていない人が少なくない。荒井さんは「責任ある投票行動は、社会とつながり、自己決定を経験する貴重な機会でもある」。一番大事なのは「最後は自分で決めるということ」と強調した。

           ◇

記事で紹介したサイトなどは以下の通り

▼選挙ドットコムの「投票マッチング」

https://shugiin.go2senkyo.com/votematches/

▼JX通信社などの「2021衆院選 あなたの考え方診断」

https://www.ntv.co.jp/election2021/research/diagnosis/

【信毎・衆院選マニフェストスイッチ】(会員限定記事です。会員登録(無料)していただけると、月5本まで読めます)

▼長野1区

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021101500298

▼長野2区

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021101400111

▼長野3区

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021101200633

▼長野4区

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021101500786

▼長野5区

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021101700038

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▼県選管の「候補者・名簿届出政党等情報」(候補者の氏名及び候補者届出政党の名称等のPDFファイルに候補者ウェブサイトのアドレスあり)

https://www.pref.nagano.lg.jp/senkan/syu2021/common-1.html

選挙ドットコムが載せている、第49回衆議院選「投票マッチング」トップページ
投票マッチングの1問目。20問に答えると、結果が示される
信毎webが掲載している「衆院選マニフェストスイッチ」の記事一覧
信州大准教授の荒井英治郎さん

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