問いかけた人勧の意義 県職員給料 全国最大の削減率


 県の労使交渉で一日、県人事委員会勧告分を含め、四月から12―7%の大幅な職員給料の削減が決まった。七回に及ぶ交渉では、削減の是非だけでなく、市町村への影響や人事委勧告制度の意義なども論点に。公務員の労働三権のあり方をめぐる問題点もあらためて浮き彫りにした。

 総務省によると、全国では昨年八月時点で十都県が人事委勧告を上回る一般職員の給料カットを行っている。県内でも上伊那郡宮田村が既に、市町村で初めて来年度から2%の独自カット方針を決めている。

 ただ、長野県の削減率は鳥取県の9―6%を上回り全国最大。県地方公務員労働組合共闘会議は「市町村職員などの給料にもかかわる」と、影響の大きさを訴えた。

 県職員の給与水準は、県人事委員会が国家公務員の水準や民間バランスを踏まえ勧告、県は尊重するのが通例だった。連合長野の市川隆司会長は、国際労働機関(ILO)が昨年十一月、日本の公務員のスト権一律禁止見直しなどを政府に勧告したことを挙げ、「そうした制度がきちんと確立していない状況で、今回のような大幅削減は一方的」と問題点を訴える。

 総務省は「人勧制度は争議権のない公務員の代償措置として必要だが、自治体財政との兼ね合いをどうするかは、最後は自治体の判断」(給与能率推進室)としている。

 一方、県経営者協会の関安雄専務理事は「今回の削減は異例だが、県財政の状況が全国的に異例なことも事実」と指摘。「民間は雇用維持を最優先に取り組んでいる。給与に限らず、行政の無駄な部分をどうなくしていくか。労使が共通認識を持ってほしい」と、今後も慣例にとらわれない論議を求めている。

(2003年2月2日 信濃毎日新聞掲載)