インフィオラータ運営統括 知事後援者企業に390万


 長野市の善光寺に続く中央通りで四月二十九、三十日に行われた、花びらを敷き詰めて絵を描くイベント「インフィオラータ・イン・NAGANO」(ながの花フェスタ2003組織委員会主催)の実施本部に、三月まで田中康夫知事の政治団体(東京)の代表を務めた都内のイベント企画会社社長が「運営統括」として加わり、組織委から会社に三百九十万円の委託料が出ていることが二日、分かった。イベントには、県が補助金として千三百万円を支出している。

 県関係者は「知事の意向もあり、大口スポンサー集めや、企業側との交渉・調整に当たってもらった」としているが、イベントの運営には県が深く関与しており「知事が特定の後援者に便宜を図ったと受け取られかねず、軽率だ」と指摘する声が出ている。

 県や実施本部関係者によると、今回のインフィオラータは当初、長野商工会議所など地元主導を予定したが、資金確保のためのスポンサー集めが難航。「県に動いてもらわないと難しい」との声が強まった。このため知事の意向を受け、東京の大手企業とパイプがあるこの社長の会社と二月にスポンサー集めの委託契約を締結。複数企業から一社五百万円の協賛金を得た。引き続き、三月にはスポンサー対応などイベント運営に関する委託契約も結んだ。

 この社長は、二〇〇〇年十月の知事選で田中知事の選挙活動を支援。この際、政治団体を設立し、主に都内での資金集めに携わった。総務省への政治資金収支報告によると、この政治団体には二〇〇〇年に千百五十三万円、〇一年に百三十八万円の収入があり、社長も二年間で百三十万円を個人献金した。今年三月に代表を退任したという。

 実施本部の幹部は「資金も人も集まらない状態を知事が見かね、社長を連れてきたと思う」とする一方、社長が三月まで知事の政治団体代表を務めていたことについては「知らなかったし、知事の友人の一人だと思っていた」と話している。

 一方、社長は信濃毎日新聞社の取材に対し「たまたま自分が大口スポンサーを集められる立場におり、知事や地元から協力を頼まれた。知事を手伝いたいという気持ちで、ほとんど利益はない。政治団体は最近は活動していない」としている。

 田中知事は「スポンサー側から要望があり、組織委員会が(契約を)決めたこと。私はこれまでも私利私欲なく県民のために活動しており、(問題があるかどうかは)県民が判断することだ」と話している。

 この日長野市内で開いた組織委員会総会で示された決算書によると、インフィオラータの収入、支出は五千八百万円余で、県が千三百万円、市が五百万円を補助。個別の支出先は示されていないが、社長への委託料のほか、作品を監督したイベントプロデューサーに企画・制作費として二千六百万円余が支出されている。

(2003年7月3日 信濃毎日新聞掲載)