「田中県政」

生坂ダム殺人 誤り原因確認できず 県公安委検証報告(12/20)


12月20日(土) 掲載 


生坂ダム殺人事件について検証した報告書を田中知事に提出した県公安委員会の牧内正夫委員長(中央で立っている)ら


 県警が誤って自殺として処理していた一九八〇(昭和五十五)年の生坂ダム殺人事件について、県公安委員会(牧内正夫委員長)は十九日、「どこに誤りの原因があったか確認できなかった」とする報告書を田中知事に提出した。別の罪で服役中だった男が犯行を告白した二〇〇〇年四月から、他殺と判断するまで三年半かかった県警の捜査には「緊迫感を欠いていた」と指摘。事件当時の捜査とともに「真摯(しんし)に反省すべき」とした。

 生坂ダム(東筑摩郡生坂村)で遺体で見つかった被害者の小山福来(よしき)さん=当時(21)=について自殺と誤認した理由の一つは、首や両手首に巻かれていたロープが「自分でも縛ることは可能だった」との判断。報告書は、実験した結果として「可能だった」と当時の判断を追認した。

 また、自殺、他殺の両面で遺体の司法解剖や聞き込みなどを行い、検討した結果、自殺と判断した―と認定した。しかし、「現存資料の確認や、県警側で捜査を担当した職員に聴取したが、どこに判断の誤りの原因があったか確認できなかった」としている。

 犯行の告白から長期間を費やした点には「遺族が解明を切に望んでいた重要事件だったのに、時効が完成した事件の捜査に緊迫感を欠いていた」と県警を批判した。

 牧内委員長は十月に「当時としては十分な捜査を行った」との見解を示したが、小山さんの母親はつ恵さん(68)側や田中知事が、独自に検証するよう要請。県公安委は、はつ恵さんに話を聞いたり現場視察をしたりしてきた。

 岡弘文県警本部長は「一つ一つの事件の陰には、真相を知りたい、無念を晴らしたい、同じことが二度と起こってほしくないとの思いの被害者がいることを全職員が肝に銘じて捜査に当たる」とのコメントを出した。




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