ユマニテ論議 延々50分間 県部長会議


 五月一日付の県の組織改正で二課を統合する「ユマニテ・人間尊重課」をめぐる部長会議の内容が十五日、分かった。田中知事の意向を踏まえて経営戦略局が「ユマニテ課」を提案。フランス語で「人間性」を意味する「ユマニテ」の難解さに県幹部が反論したり、「ヒューマニズム課」「生命共生課」など別の候補を挙げたり。最終的に知事に決定を一任するまで、片仮名交じりの論議は四、五十分間にも及んだ。【4面参照】

<知事―発想を転換して 教育次長―県民に不親切だ>

 [青山篤司出納長] 課名は日本の言葉で表し、県民からみてこういうことをやっていると分かるのが適切だ。

 [松林憲治経営戦略局長] 職員の意識を変え、既成の概念を一歩飛び出すということで「ユマニテ課」にした。

 [田中知事] 超合金化になるということで変えようということだ。

 [堀内清司社会部長] フランス語で理解してもらえるか。

 [知事] ユマニテから想像してほしい。違うというなら「人間課」。どうしても日本語でというなら「いきとしいけるもの課」。

 [出納長] 人間課でいいのでは。

 [田山重晴企画局長] 「人権ユマニテ課」とか、多少の気配を感じるような何かを付けた方がいい。

 [知事] 人権とつくと、人権の固まったものがどうしてもある。「人間ユマニテ課」か。いきとしいけるもの課も結構いい。笑いが出るし、おかしい。

 [河合博林務部参事] 「人のあり方課」「人としてのあり方課」は。

 [三田村順子教育次長] 県民のために一緒に改革をやっていくというふうには聞こえない。抽象的すぎて、県民に不親切だと思う。

 [瀬良和征教育長] 年数がたてば市民権を得ることもある。

 [知事] 単に反発するのではなく、発想を転換してほしいと思った。

 [教育長] いきとしいけるもの課は「ありのまま課」「らしさ課」という感じだ。

 [企画局長] 「いきとしいけるもの」だと仏教的。「人間ユマニテ課」ならしっくりいく。

 [知事] 宗教的な概念を県に持ち込んでいけないと言う人がいれば、良い意味で物議を醸す。「森羅万象課」では林務部なのかな。

 [岡弘文県警本部長] フランス語までいくとわからないので「人間課」「人間尊重課」は。

 [知事] 硬い感じにしたくない。

 [県警本部長] ユマニテはどこかの機関紙(仏の共産党機関紙)のタイトルだった。

 [知事] 「いきとしいけるもの」を是非。

 [企画局長] お経を読まなくてはいけない。

 [宮尾弘行総務部長] 「ヒューマニズム課」「ヒューマン課」は。

 [教育長] 「生命共生課」。

 [出納長] じいちゃん、ばあちゃんが分かる名前であってほしい。

 [知事] 突拍子もない知事の下でも律義にやっていると(県民が)安心しているのだったら、意味がない。

 [出納長] ユマニテ課といった場合、どんな企画をしているかが県民に分かりますか。

 [知事] 何をやっているか分かるということになると、従来の概念に拘泥していってしまう。

(2004年4月16日 信濃毎日新聞掲載)