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県こども新聞コンクール

 小学生対象の第24回県こども新聞コンクール(信濃毎日新聞社と信毎販売店会主催)が行われました。身近なニュースや疑問を感じた テーマを自ら調べた新聞が県内248校から計4836点寄せられました。6地区での審査を通った135点から優秀賞15点と奨励賞 30点が選ばれました。
 街の歴史や身の回りの課題、環境、防災などに関心のアンテナを張り、大人や専門家にインタビューするなどして取材を深めています。 見出しやイラストにも工夫を凝らした新聞は、社会へのメッセージや願いを伝えています。

(受賞者名の前にある市町村名は学校のある所です)

優秀賞

1.2年

ゾウとライオン大すきしん聞

ゾウとライオン大すきしん聞

須坂市・井上小2年 戸谷 僚介(とや りょうすけ)さん

「大好きなゾウやライオンについて知りたいと思い、茶臼山動物園へ見学に行き、飼育員から直接、話を聞きました。日本の動物園で将来、ゾウが見られなくなるかもしれないと知り、驚きました。群れで行動するゾウには大きな獣舎が必要で、小学校を建てるくらいのお金が必要だからだそうです。記事を読んでもらえるような見出しを考えるのが大変でした。大好きな動物たちのことを知ることができて、楽しかったです」

松本タイムスリップ新聞

松本タイムスリップ新聞

松本市・才教学園小2年 湯淺 創太(ゆあさ そうた)さん

「家族から『昔は松本にチンチン電車が走っていた』という話を聞き、興味を持ちました。最初はチンチン電車が走っていたなんて信じられなかったけれど、乗ったことがある人にインタビューをしたり、本を買って調べたりして、昔の松本について知ることができてよかったです。記事は大切なところに印をつけたり、縦書きと横書きを分けたりして見やすいように工夫しました。昔の電車にも、いつか乗ってみたいなぁ」

3.4年

目を守りたい!!目の病気新聞

目を守りたい!!目の病気新聞

長野市・芹田小3年 北村 春樹(きたむら はるき)さん

「家族など身の回りで目の病気になっている人が多いことから興味を持ち、テーマに選びました。図鑑で調べて目の仕組みをイラストにしたり、眼科の医師や実際に病気になっている人にインタビューしたりし、目の病気がどういうものかわかりやすく伝わるよう工夫しました。目の病気はブルーライトや紫外線などで気付かないうちに進行していくそうです。自分も気をつけたいし、みんなも気をつけてもらいたいです」

どうする?!マスク新聞

どうする?!マスク新聞

佐久市・中込小3年 佐藤 夏帆(さとう かほ)さん

「3月にマスクの着用が個人の判断になり、その後どれだけの人がマスクをしているか気になって調べました。学校や公園などで人数を調べて、場所ごとに割合を比較しました。数える時に人が動いてしまい苦労しました。調べた結果、私が思っていたより、今もマスクをしている人が多いと分かりました。今後、割合がどう変わるかまた調べてまとめたいです。マスクも必要だけど、友だちの笑顔はたくさん見たいです」

こわい!?こわくない!?感せんしょう新聞

こわい!?こわくない!?感せんしょう新聞

松本市・才教学園3年 高藤 愛菜(たかふじ あいな)さん

「今年、弟2人がプール熱やヘルパンギーナといった夏風邪に次々とかかり、新型コロナの次は他の病気が流行するのかと怖くなって調べてみました。近所のお医者さんにインタビューし、症状や予防の仕方を聞きました。縦書きの文には縦の線、横書きには横の線を引いたり、インタビューの質問と答えの色を変えたりして、読みやすいよう工夫しました。夏風邪をひいた時の対応や、予防のために役立つとうれしいです」

78年前の日本の戦争新聞

78年前の日本の戦争新聞

安曇野市・穂高南4年 赤羽 甲全(あかはね こうぜん)さん

「ロシアのウクライナ侵攻で戦争という言葉をよく聞くようになり、興味がわいたので東京大空襲を経験した100歳のひいばあちゃんを取材しました。東京が火の海になり、たくさんの人が死んでしまったと知りました。たくさん話を聞いた中でどんな内容を記事にまとめるか悩みましたが、戦争のひどさが伝わるように話題を選びました。みんなが苦しい思いをするだけの戦争は絶対にしてはいけないと思いました」

消防団ってなんだ?新聞

消防団ってなんだ?新聞

下諏訪町・下諏訪南小4年 吉澤 市理(よしざわ いちり)さん

「4月から、お父さんが下諏訪町消防団の第4分団長になりました。毎月決まった日は『定訓』というものに行かなくてはならず忙しそうです。どんなことをしているのか気になり、屯所(団員の集合場所)に行ってみることにしました。アンケートを準備すると、約20人が丁寧に答えてくれました。大変なこともあるけれど、仲間が増えたり地域の人に感謝されたりと、やりがいを感じながら活動していることが分かりました」

ウクライナ平和新聞2

ウクライナ平和新聞2

高森町・高森北小4年 尾地 悠進(おち ゆうしん)さん

「ウクライナから避難して高森北小に通い、昨年11月に帰国したアルセーニ君。どうしているか気になり、(ウクライナで使う)キリル文字を調べて書いた手紙をSNSで送りました。オーストリアで元気に暮らしていると分かり、両親と『良かった』と喜びました。ウクライナ大使館に尋ねると、できる範囲でウクライナを応援してほしいと言われました。ウクライナが平和になり、アルセーニ君とまた会えたらうれしいです」

5.6年

びっくり!浅川の石油新聞

びっくり!浅川の石油新聞

長野市・浅川小5年 山本 奏太(やまもと かなた)さん

「浅川に石油のある場所があると姉から教えられ、ずっと気になっていました。石油は外国で取れるものと思っていたからです。戸隠地質化石博物館の田辺先生にインタビューしました。話がとてもおもしろく、新聞ではその話が目立つように色を塗るなど工夫しました。先生からは、善光寺地震の時に石油のある場所から火が出たことなども教えてもらいました。地元で石油が取れたことをみんなにもっと知ってもらいたいです」

お母さん新聞

お母さん新聞

長野市・緑ヶ丘小6年 加藤 実緒(かとう みお)さん

「お母さんが時々『お母さんも大変なんだよ』と口にしていたので、どんな毎日なのか調べました。いろいろな仕事があって、PTAなどで多くの人と関わっていて、とても頑張っていました。母の日に何が欲しいか聞いたとき、お手伝い券など『物』で答えると思ったら、『やさしい言葉』という答えだったのが想定外でした。手伝いをできるときはもっと家事をやりたいし、早起きやテキパキ動く習慣を付けたいと思いました」

予防しよう!食中毒新聞

予防しよう!食中毒新聞

長野市・緑ヶ丘小6年 山本 英美莉亜(やまもと えみりあ)さん

「お父さんが以前、食中毒のような症状になったので、詳しく調べたいと思い、このテーマを選びました。長野市保健所の『食中毒予防教室』に参加し、理科の授業のように実際に調べたことを書きました。強調したい所に色を付けたり、4こま漫画を入れたりして、工夫しました。食材にしっかり火を通すことや、手を丁寧に洗う大切さを知りました。この新聞を読んだ人にも、食中毒の怖さや種類、注意点を知ってほしいです」

海のない長野県と海とのつながり新聞

海のない長野県と海とのつながり新聞

佐久市・佐久平浅間小6年 井上 愛梨(いのうえ あいり)さん

「海が好きで、海で起きていることを知りたい、伝えたいと思い、長野県と海のつながりについてまとめました。長野県のような海がない県でも、森の木々から川や海の生き物に栄養を与え、大きな役割を果たしていることが分かりました。目の前に海がなくても、車の利用や電気の消費を減らすことで海の環境を守ることができます。私もゴミを減らしたり、電気をこまめに消したり、普段の生活から気をつけています」

空き家活用新聞

空き家活用新聞

下諏訪町・下諏訪南小6年 菊原 麻那(きくはら まな)さん

「家の近くには空き家があって、少し不気味なイメージがありました。町にも空き家が増えているように感じたのでテーマに選びました。移住者や地域おこし協力隊員、町役場に話を聞くと、空き家ならではの雰囲気や良さもあると分かり、活用できれば町にとっての資源だと思えるようになりました。イラストなどで分かりやすくまとめ、6年間毎年作ったこども新聞の集大成となるような新聞ができました」

地球沸騰化新聞

地球沸騰化新聞

高森町・高森南小6年 関川 裕大(せきがわ ゆうだい)さん

「今年の夏は登下校の時にとても暑かったので、地球温暖化について調べようと思い立ちました。取材してみると、身近な地域で果物の品質が落ちたり、育てられる種類が変わったりする影響が出ていることが分かり、驚きました。自分が好きなリンゴも暑さで変色してしまうそうで、近くの直売所では袋詰めで安く売っていました。この新聞を読んだ人が、温暖化防止につながる行動を心がけるようになってほしいと思います」

一人ひとりが考える 動き出す 駒ヶ根市で見つけた!!虫むし新聞

一人ひとりが考える 動き出す 命を守る防災新聞

飯田市・丸山小6年 鈴木 悠史(すずき はるふみ)さん

「家が土砂災害の警戒区域にあるのでどんな備えをすれば良いか考えました。実際に防災グッズを使ったり、家族で避難計画を話し合ったりした体験を伝えました。災害のときに家族が一緒にいるとは限らないので、避難所をいくつか決めておくと良いです。飯田大火を経験した祖父の話も載せました。家が燃えて『自分が死んだような気持ちになった』と聞き、気持ちの面でも準備しておく大切さを伝えたいと思いました」

奨励賞

きせつをあじわうやさい新聞

きせつをあじわうやさい新聞

松本市・旭町小2年 赤羽 珠乃介さん

蚕新聞

蚕新聞

伊那市・西春近南小2年 野溝 咲さん

心も体もゆったり 温泉新聞

心も体もゆったり 温泉新聞

大井 千愛さん(長野市・川中島小4年)

ぼくのなっとう新聞

ぼくのなっとう新聞

松田 勘志さん(上田市・塩川小4年)

手紙を出そう!新聞

手紙を出そう!新聞

望月 涼葉さん(上田市・南小4年)

スマホとアプリ新聞

スマホとアプリ新聞

重田 理凰菜さん(立科町・立科小3年)

軽井沢野鳥新聞

軽井沢野鳥新聞

萩原 愛斗さん(軽井沢町・西部小4年)

名前を調べるだけじゃない昆虫図鑑新聞

名前を調べるだけじゃない昆虫図鑑新聞

比田井 康介さん(佐久市・望月小4年)

みんなの公園新聞

みんなの公園新聞

荒井 樹人さん(松本市・清水小4年)

じゃがじゃがいも新聞

じゃがじゃがいも新聞

樋口 乃椛さん(岡谷市・長地小3年)

吃音新聞

吃音新聞

古村 凱琉さん(箕輪町・箕輪中部小4年)

若一王子神社祭り新聞

若一王子神社祭り新聞

北原 綾花さん(伊那市・美篶小4年)

戦争の図書館新聞

戦争の図書館新聞

濵 花穂奈さん(伊那市・伊那東小4年)

飼い主は一体だれ??地いき猫新聞

飼い主は一体だれ??地いき猫新聞

大原 愛奈さん(喬木村・喬木第一小4年)

おばあちゃんの日本画新聞

おばあちゃんの日本画新聞

小松 新さん(長野市・加茂小5年)

出た!ツキノワグマ新聞

出た!ツキノワグマ新聞

吉池 まどか さん(長野市・城山小5年)

信濃路みんなの笑顔新聞

信濃路みんなの笑顔新聞

丸山 楓乃さん(長野市・篠ノ井西小6年)

みんなスマイル総合診療科新聞

みんなスマイル総合診療科新聞

山岸 瑞季さん(長野市・篠ノ井西小6年)

知育菓子新聞

知育菓子新聞

横山 未空さん(長野市・南部小6年)

熱中症対策新聞

熱中症対策新聞

田中 悠翔さん(上田市・神川小6年)

どうする!どうなる?私の部活新聞

どうする!どうなる?私の部活新聞

小林 すず さん(上田市・丸子中央小6年)

がんばれ!!大糸線新聞

がんばれ!!大糸線新聞

谷口 蒼斗さん(松本市・鎌田小5年)

もっと尻たい うんこ便り

もっと尻たい うんこ便り

竹原 福葉さん(塩尻市・吉田小6年)

インフレ新聞

インフレ新聞

藤森 麻友さん(松本市・本郷小6年)

ぬいても ぬいても 生えてくる!!雑草新聞

ぬいても ぬいても 生えてくる!!雑草新聞

清水 結日さん(松本市・梓川小6年)

「未来」の大糸線新聞

「未来」の大糸線新聞

太田 紗奈さん(白馬村・白馬南6年)

夏のペットボトル事情新聞

夏のペットボトル事情新聞

住田 優衣さん(岡谷市・長地小6年)

食品ロス新聞

食品ロス新聞

鈴木 乃依さん(伊那市・西箕輪小6年

ことちゃん(妹)の聞こえの世界新聞

ことちゃん(妹)の聞こえの世界新聞

久保 陽愛さん(辰野町・辰野西小5年)

天ぷら万十新聞

天ぷら万十新聞

毛利 月希さん(伊那市・伊那東小5年)

佳作

審査を終えて

県教委学びの改革支援課指導主事 望月 光祐さん

驚きや疑問に立ち止まる

 皆さんの個性あふれる「こども新聞」をワクワクしながら読ませていただきました。日常のふとした瞬間や、友達や家族との会話から生まれるちょっとした 驚きや疑問は、いつの間にか消え去ってしまうことが多いものです。皆さんは、このような驚きや疑問を自分の問題として一歩立ち止まって受け止め、テーマを 設定し、解決に向けて具体的に動き出しました。この「一歩立ち止まって受け止める」ことが、とても価値あることです。
 現在、インターネット等でさまざまな情報を得ることができますが、皆さんは情報を見極めて収集し、さらに実際に現場に出向いて目で見たり、手で触れたり、 関係する人に直接話を聞いたりしていました。そして、得た情報を整理・分析して、印象的な見出しや記事、イラスト、図等を効果的に使い、丁寧にまとめました。 「編集後記」には、そのような取材を通した実感が伴っているからこその説得力があり、読み手を納得させる力強さや重みがありました。
 「あれ?」「どうして?」「知りたい」という気持ちは本来私たちがもっている欲求です。こういった「驚き」や「疑問」が連続することで、学びが深まり、 さらに新たな驚きや疑問が生まれてきます。皆さんは、この新聞づくりを通して驚きや疑問を解決していく面白さや喜びを味わったことと思います。今後も、 ふとした瞬間から生まれる驚きや疑問を一歩立ち止まって受け止め、皆さんなりの見方や感じ方、考え方を働かせながら追究していってください。