TOP2012年09月松本城の堀の泥、リサイクルへ ポンプでくみ上げ肥料に しゅんせつより低コスト 市が検討
底にたまった泥(写真下方のカモの右側)が見える松本城の内堀=6日
泥の再利用とごみ除去の流れ

 松本市は、国宝松本城の堀に堆積している泥やヘドロをポンプで吸い上げ、ごみや水分などを取り除いて肥料として活用する「お堀リサイクル方式」の検討を始めた。水位が下がると、堀の水面に泥やヘドロが出てきてしまい、景観を損なうといった声が市民から出ていた。市は、重機などによるしゅんせつよりも費用がかからず、動植物への影響も小さく抑えられるとみて、実効性や肥料利用先の調査などを進めるとしている。

 市松本城管理事務所によると、国史跡に指定されている堀の総面積は内堀と外堀、さらに外側の総堀を合わせ計約3・5ヘクタール。堀の水源は周囲の井戸水だが、少雨に加え、夏に暑い日が続くと水位が下がり、内堀の南西の一部で泥やヘドロが水面に出ることがある。

 堆積した泥やヘドロは、堀周辺の桜の落葉やコイのふんなどが由来とみられ、深い所で2メートル近くにもなるという。

 同事務所が検討しているのは、泥やヘドロを吸い上げて水と分離し、脱水して肥料にする方式。その過程で空き缶やビニールごみなどを取り除き、水は堀に戻す=図。

 首都圏の公園の池で実施している業者から資料を入手するなど情報収集を進めており、同事務所の担当者は「きれいな井戸水に積もった泥は、花壇や畑などに有効な有機肥料として再利用できる」と期待する。

 しゅんせつが堀全面で行われたのは江戸後期が最後という。同事務所は、将来的にはしゅんせつも視野に城保存管理計画を策定中だが、重機作業による史跡への影響調査などに時間がかかり、さらに泥やヘドロの運搬、処理なども含めると総費用は数億円から10億円程度になると見込まれるという。

2012年9月 7日掲載

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