TOP2021年12月松本城「三の丸」を10の界隈で整備 松本市が街づくりの骨子案公表 市会委は再度の説明求める

 松本市は9日、松本城一帯の街づくり像を示す「三の丸エリアビジョン」の骨子案を公表した。エリアを緩やかな10の「界隈(かいわい)」に分け、それぞれの将来像を提示=図。実現に向けて、地元企業や商店主ら市民主体の組織が運営を担うとし、来年度からにぎわいづくりに向けたアイデアを試みていく。

 エリアの全体像は、暮らしと観光が両立した「世界水準の歴史観光エリア」とした。10の界隈のうち「市役所周辺(地蔵清水・柳町界隈)」は、大名町から太鼓門を通じて松本城に至る「登城ルート」を楽しめるよう再整備し、人が集える「市役所本庁舎周辺への新施設配置」を検討するとした。「大手門跡」の界隈は、2023年秋開館予定の市立博物館などを中心に、工芸や音楽など文化表現の場や催しを生み出すとした。

 来年度には、市民主体の推進組織立ち上げと、にぎわい創出に向けた実証実験を予定。3年ほど続け、歩道の一部で店舗が営業できる取り組みなどを想定する。市お城まちなみ創造本部は「民間主体で進め、実証実験で試行錯誤しながら具体的事業の実現可能性を探りたい」とする。

 骨子案は地元住民ら約140人に意見を聞いて作成。本年度内に各界隈の将来像を具体化して成案をまとめる。

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■「分散型市役所」構想、示されぬまま 本庁舎周辺の将来像に議会反発

 松本市が9日示した「三の丸エリアビジョン」骨子案。議決の必要がない報告事案ながら、市議会総務委員会は承認しがたいとし、再度、委員会で説明するよう求めた。問題視したのは「市役所本庁舎周辺への新施設配置」などの文言。市長が掲げる「分散型市役所」構想が具体的に示される前に本庁舎周辺の将来像を掲げたと批判が集まった。

 委員らは民間主体のまちづくりを掲げた方向性には賛同。一方で「市長は本庁舎をなくす、あるいは縮小すると決めたのか」などと反発した。臥雲義尚市長は昨年3月、前市政が決めた市役所の現地建て替え計画の見直しを掲げて初当選。市内各地に行政機能を分散するとしてきたが具体的な配置などはまだ明らかにしていないためだ。

 八十二銀行松本営業部が入るビルの敷地取得凍結や、市役所窓口の防犯カメラの運用停止...。議会説明の前に方針転換を打ち出してきた市長に、ある市議は「今回は既成事実をつくろうとしたとも取れる」と不信感を隠さない。

 こうした反発に、市側は委員会で「ビジョンは地元の意見をまとめたもの」と説明。委員会後の記者会見で市長は「骨子案を肉付けして示してく中で他の計画とどう整合が取れるか説明を尽くし、理解をいただきたい」と述べた。

2021年12月10日掲載

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