TOP2022年04月松本城の石垣 震度6強~7で落石や膨らみの恐れ 耐震調査結果発表
大地震で石垣が崩れる危険があると分かった松本城天守=7日

 松本市教育委員会は7日、国宝松本城の天守を支える石垣の耐震性を調査した結果、震度6強~7の大地震で、石が押し出されて外側に膨らんだり、落石が起きたりする可能性があると発表した。原因は不明だが、既に膨らみが見られる場所があるとし、石垣と立ち入り防止柵の間隔を広げた。石垣の本格的な耐震調査は初めてで、2026年度以降に実施する方針の耐震補強工事に向け、22年度中に基本計画を策定する。
 調査は20~21年度に実施。発掘調査やレーダーを使った構造物調査、ボーリングなどの地盤調査をした。その結果、震度6強~7の地震で、石が外に押し出されるように膨らむ「はらみ出し」や落石が起きる可能性があることが判明。最大で19センチ外側に膨らんでいる箇所も見つかった。これまで一部で石垣に沿うように柵を設けていたが、間隔を3メートルに広げた。
 14年度から3年間行った天守の調査では、一部が倒壊したり、変形したりする危険性が判明している。16年の熊本地震で熊本城(熊本市)に被害があったことなどから、文化庁が耐震補強工事の基本計画づくりに向け、石垣への対策も求めていた。
 松本市は17年から天守に避難誘導員を配置するなどの安全対策をしており、今後も継続する。逸見和行教育次長は「引き続き(来場者の)安全を確保しながら、文化庁と調整して耐震化に向けた対応を検討したい」としている。

2022年4月 8日掲載

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