やっと見つけた コレ!
人生において何度もされる質問、その中の一つに「好きなタイプは?」がある。
平安時代の書物から示されるように昔から人は恋の話が好きなのだ。俺はこれまで
「え~、タイプかぁ...なんだろう...」
と悩み散々時間をかけ、その結果
「好きになった人がタイプかなあ」
という、もう擦りに擦られたクソつまんねー返答をしてきた。醜態である。頰を赤らめた広瀬すずではない限りこんな態度は許されない。
今後も聞かれるであろう質問なのだから、同じ轍を踏まぬようあらかじめ用意しておきたい。
そう思い立ち急遽、男子会を開催。取り急ぎ、参加したメンバーに同じ質問をしたところ
「優しいひと」
「かわいいひと」
「巨乳」
という返答があった。
凡夫、凡夫、スケベといった結果であろう。先の二人にはそのレベルは頰赤のすずしか許されないんだぞ、と伝え、最後の一人にはおっぱいはサイズ問わずありがたいものだ、と諭した。
本題である。ありきたりでもなく、決して嘘ではない、自分のタイプを説明できるようになりたい。
腕を組み唸り、ドリンクバーを何度も行き来しながら考えた結果を発表しよう。それは
「何食べたい?って聞いた時に『わたし、びっくりドンキー行きたい!』って言う女性」
コレである。理由を挙げていく。まずは食べたいものをパッと言える、という潔さがイイ。まるで「なんでもいい」の反対語が「びっくりドンキー」なのでは?とすら思わせる強い意志を感じる。
続いて「びっくりドンキー」と口にした瞬間の唇のかわいさ、だ。あなたも鏡の前で言ってみたらきっとわかる。
最初の「びっ」のンパッで色気を、そして「くり」で口角が上がり、「ドンキー」で無邪気さが表現されている。
まさに唇にとっての最高の振り付け。写真を撮る際に「はいチーズ」ではなく「びっくりドンキー」と声を揃える時代も近いだろう。
そして店の特性であるログハウス仕立ての店内、ウエスタンハットを被った店員、もう入った瞬間にワクワクする。極め付きは木枠のついた大きなメニュー表を、二人で眺めるというシチュエーションだ。
パイナップルがのったハンバーグ、ジャンボパフェなど冒険心をくすぐられるメニューを前にしたら、二人は食の探検隊である。
むしろびっくりドンキーと付き合えば?という声が聞こえてきそうだが、そうではない。俺はびっくりドンキーに行きたい女性とデートがしたいのだ。
【写真説明】2022年4月 つくばにて
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