俺が俺で俺だ

2021年の記事一覧

  • 2021.12.03

    本当にほぐすべきは...

     マッサージ店にて。  施術師に 「お客さん、かなりこってますよ、これは相当に酷使しましたねぇ」 と言われ 「あー、そうですか、ちょっと忙しかったからなぁ」 と答える。  語調こそ浮かないものの、心の中では満更ではない。(そうかやっぱり俺はプロが驚くほどに体を酷使しているんだな)と、闘う自分というや READ MORE

  • 2021.11.05

    良かれと思っての言葉

     温泉旅館での部屋食にアワビの踊り焼きが運ばれてきた瞬間、彼女の顔が強張った。動いている魚介を食べることに抵抗があるのだ。しかし仲居さんは 「踊ってますね~! 逃げないように噛み締めて下さいね!」 と軽妙なトークを繰り出す。  その明るさに反し、彼女の眉間のシワの窪みは深くなる一方だ。それを横目で確 READ MORE

  • 2021.10.01

    手洗い二度目 母を思う

     感染対策が不十分な状況で開催し、世間を騒がせた愛知の野外フェス「NAMIMONOGATARI(波物語)」。その波は長野の実家にも及んだ。長男がラッパーをしていると知る近所の人が、母に 「息子は波物語に出てたんか?」 と尋ねたらしい。  ラッパーという括りで印象がつき、語られるのはいつものことだが、 READ MORE

  • 2021.09.03

    人の目を気にしない

    日差しが翳り始めた8月の夕方、公園にて。 「あ! UFOだ!」 そう言って5歳になる友達の息子は空に向かい指さした。  しかし、それはライトを点灯させながら飛んでいる飛行機だった。 「いや、あれはね」 と口にしかけて考える。  彼にとってはUFOなのだから、それでいいじゃないか。その方が夢があるし。 READ MORE

  • 2021.08.06

    デカいやつこしらえよう

    「ライブに大きいも小さいもないので、別に特別な思いはないです」  5年前、初めてのワンマンライブを控えインタビューに答える俺がいた。  しかし本番当日の朝、洗面台の前で 「イッヒッヒ、口では強がっても体は正直だなぁ」 と声が響く。  声の主は鼻の頭に出来た真っ赤なニキビだ。思わず「闘魂」とでも書き添 READ MORE

  • 2021.07.02

    二度と洗面器を被るまい

     世の中には子どもを躾けるために語られる迷信がある。  有名なのはもったいないお化けだ。食べ物を残すと夜中 「もったいない~もったいない~」と言いながら枕元に立つお化け。  子どもの頃に母が耳元でささやく、もったいない~、という掠れ声を聞きながら、半泣きでピーマンを飲み込んだ記憶がある。  同じく子 READ MORE

  • 2021.06.04

    むう、この世は騙し合い

    「年頃の娘に嫌われている髪が薄いお父さん、でも育毛剤を使い毛量を増やすことに成功! 娘が口を利いてくれるようになった!」 という育毛剤のCMを見て、胸がギュッと詰まる感じがした。  多分その理由は娘に愛されたい父親のコンプレックスにつけ込み、商品を売り付けようとする企業の魂胆が露骨すぎたから。  そ READ MORE

  • 2021.05.07

    お洒落を諦めない 「似合うの向こう側」へと

    「こんなに似合う人は初めてです」  試着した俺を見て、ありがちな社交辞令を店員が口にする。でも、多分これはマジだ。正直、俺自身過去イチの手応えがある。生まれて初めて 「俺が買わないでどうするんだ!」 という使命感すら生まれた。  翌日、バンドの練習に早速その服を着て行く。スタジオでは相方のUKがスマ READ MORE

  • 2021.04.02

    彼女が元カレと電話 俺は隣の部屋で...トホホ

     同棲している彼女の元に前の彼氏から電話があった、らしい。  俺はそれを4日後に知った。情報源は久しぶりに開いたTwitter。  彼女のアカウントで 「さっき元カレから電話きて、久しぶり話をした」 と、書き込まれていたのだ。  日付は4日前、時間は午前1時半過ぎ。  心がザワつく。何故なら午前1時 READ MORE

  • 2021.03.05

    育児の苦労知らぬ自分 ちち見えない服どこに

     ラジオで育児奮闘中のお母さんからメールを貰う。その流れで「育児は本当に大変ですからねぇ」と口にしていた。その後、思う。独身の俺に何がわかるというのだろう。そこには、男が育児に対し不用意な発言をすると叩かれるという世相を鑑みて、こう言っとけば安全だという打算があった。情けない話だ。  そんな情けなさ READ MORE

  • 2021.02.05

    一本一本「きれいだね♪」 ムダ毛眺めるムダ時間

    「ムダかどうかは、自分で決める。」 というコピーのついた広告。きれいな女性が腕をあげ、脇毛を露にして微笑んでいた。  その脇毛は橙色に染められている。  近年、体毛に対しての美の常識を見直そうとする動きが活発だ。そんな中、同棲中の彼女が全身脱毛をすると申し出た。なるほど、彼女にとって体毛はムダという READ MORE

  • 2021.01.08

    ばあちゃんの理容室 黄昏れる気満々が...

     ばあちゃんは理容師だった。70を越えてもなお、実家1階に併設された店でハサミをふるっていた。  昔、じいちゃんが事故にあった時はその腕一本で家計を支えてきたと言う。  その背中を見てなのか、わが父、邦彦もハサミを生業にし、実家2階に美容室を開店させる。良く言えばひょうきん、悪く言えばちゃらんぽらん READ MORE