リレハンメルからの使節団 長野の環境保護期待


 ノルウェー・リレハンメルから環境メッセージを携え、シベリアを越えて二十五日に長野市に到着した国際環境使節団の五人らは、同日長野市役所で記者会見し、九四年のリレハンメル五輪に続き、長野五輪も環境に十分に配慮して運営するよう訴えた。

 リレハンメル五輪終了直後から二年七カ月、犬ぞりや自転車、帆船に乗り、燃料を使わずにひたすら長野を目指してきたゲイル・ランドビー隊長は「(長野にたどり着いた)実感が沸くには時間が掛かる。昨晩は、ここから三十キロほど離れた場所から長野市を見つめて、涙が出てきた」と、言葉を選びながらしみじみと語った。

 その上で「必ず、長野五輪組織委員会は環境問題に真剣に取り組むだろう。塚田市長も必要とあらばどんなに厳しい決断もされる人だと思う。五輪は大イベントだが、それだけに大きな責任がある。大会は二週間だが、環境はずっと残っていく」と述べ、環境保護への一層の努力を期待した。

 現在の長野五輪の準備状況については、北安曇郡白馬村の男子滑降スタート地点の引き上げを競技団体側から求められた際、組織委員会が応じなかった点を挙げ、「長野が環境に関心を持っていることを、強く感じている」と評価した。

 同席したリ市のオードン・トロン市長は「リレハンメルでは、五輪の後、自然や景観と調和することが市民にとって重要になった。長野の人たちも毎日の生活の中で自然環境を考えてほしい」と、個人の価値観の変革を訴えた。

 「メッセージを受け取り、決意を新たにした」と塚田市長。「次のソルトレーク市(米国)にも何らかの方法でメッセージを伝えたい。トロン市長とも約束した」と話した。

<メッセージ全文>

 リレハンメルからの環境メッセージの全文は次の通り。

 リレハンメルオリンピック組織委員会及びオリンピック開催地リレハンメル市は、ここに、冬季オリンピックにもたらされた第三の側面について、長野がその考えを取り入れ、さらに発展させることを要請する。すなわち、

 「環境―スポーツ、文化と並ぶ第三の側面」

 我々は、あなた方のオリンピックの計画に、またオリンピックの開催に際し、周囲の自然や環境に十分に配慮されるよう要請する。同時に、持続可能な成長を約束する、環境に優しい製品や環境問題を認識している協力企業を選択されるよう要請する。

 リレハンメルの自然環境の保護に取り組む専門家、団体の協力により、リレハンメルオリンピック組織委員会は、環境という側面を持つオリンピックの創造を求め、その先駆者として乗り出した。我々は、長野また日本が、環境についての確固たる原則を作成され、それにのっとった冬季オリンピックを実現されようとする努力がすべて実を結ぶよう切望する。

 より輝かしい未来を求めオリンピックムーブメントに加わらんことを!

    オリンピック開催地リレハンメル市民

    市長 オードン・トロン

    リレハンメルオリンピック組織委員会会長 ゲルハルト・ハイベルグ

(1996年9月28日 信濃毎日新聞掲載)