堀井、五百で国内最高 W杯スピード派遣選考会


 スピードスケートのワールドカップ(W杯)派遣選手選考競技会は最終日の二日、長野市エムウエーブで男女4種目を行った。男子五百メートルは、初日トップの堀井学(王子製紙)が2回目を36秒29の国内最高記録で制し、合計タイム1分12秒60で圧勝した。

 堀井は100メートルの通過タイムを初日よりも縮め、同走した初日2位の宮部保範(王子製紙)を中盤で逆転した。若手の西岡和哉(専大)が36秒35をマークし、初日7位から合計タイムで3位に浮上した。

 女子千五百メートルは、初日の三千メートルを日本新で制した野崎千春(三協精機)が序盤から快調に飛ばして2分2秒21の国内最高で優勝。女子五百メートルは1回目トップの三宮恵利子(富士急)が国内最高の39秒92で1位になり、合計タイム1分19秒93で圧勝。男子千五百メートルは青柳徹(東芝)が1分52秒37で優勝し、2位の今井裕介(山梨学院大・佐久長聖高出)も1分52秒88で、ともに国内最高記録を上回った。

 【男子】

 ▽五百メートル (1)堀井学(王子製紙)1分12秒60(1回目(1)36秒31、2回目(1)36秒29=国内最高)(2)宮部保範(王子製紙)1分13秒22(1回目(2)36秒56、2回目(4)36秒66)(3)西岡和哉(専大)1分13秒33(1回目(7)36秒98、2回目(2)36秒35)(4)黒岩敏幸(ミサワホーム)1分13秒38(1回目(5)36秒78、2回目(3)36秒60)(5)清水宏保(三協精機)1分13秒51(1回目(4)36秒66、2回目(6)36秒85)(6)笹渕峰尚(日大)1分13秒83(1回目(3)36秒64、2回目(10)37秒19)

 ▽千五百メートル (1)青柳徹(東芝)1分52秒37(2)今井裕介(山梨学院大・佐久長聖高出)1分52秒88=以上国内最高(3)根本茂一(日大)1分53秒89(4)宮川洋平(専大・佐久長聖高出)1分53秒90(5)石岡守(吉田産業)1分54秒33(6)田中慎也(専大)1分54秒93

 【評】五百メートルの堀井は100メートルで同走の宮部保に0秒03遅れだが、9秒88は悪くない。第1カーブ出口から一気に加速し、最後の直線は力をややセーブした滑りだった。新鋭の西岡は堀井を上回るスピードで飛び出し、大柄な体でインの第2カーブもうまく回った。体の切れが徐々に良くなっている黒岩が続き、宮部保は後半に伸びなかったが、合計タイムで2位をキープした。

 千五百メートルの青柳はこの日も序盤から意欲的。カーブでピッチを刻んで出口で鋭く飛び出し、直線はリラックスして滑った。今井はスピードに乗るのが速く、直線の滑りが大きく力強かった。序盤を抑え気味に入った根本が終盤で浮上し、宮川を抜いて3位に入った。

堀井学

男子五百で完全優勝した堀井学選手


<野崎に勢い、千五百も制す>

 【女子】

 ▽五百メートル (1)三宮恵利子(富士急)1分19秒93(1回目(1)40秒01、2回目(1)39秒92=国内最高)(2)清水知美(富士急)1分20秒43(1回目(4)40秒22、2回目(2)40秒21)(3)楠瀬志保(佐田建設)1分20秒53(1回目(2)40秒10、2回目(5)40秒43)(4)島崎京子(三協精機)1分20秒56(1回目(3)40秒20、2回目(3)40秒36)(5)香川真由美(佐田建設)1分21秒39(1回目(5)40秒98、2回目(4)40秒41)(6)新谷志保美(伊那北高)1分22秒44(1回目(6)41秒26、2回目(6)41秒18)

 ▽千五百メートル (1)野崎千春(三協精機)2分2秒21(2)田畑真紀(富士急)2分2秒70(3)楠瀬志保(佐田建設)2分3秒48=以上国内最高(4)外ノ池亜希(アルピコ)2分3秒78(5)上原三枝(JNF・諏訪清陵高―日体大出)2分4秒04(6)宗像記子(富士急)2分4秒70

 【評】野崎が千五百メートルも好調。低い姿勢から素早くスピードに乗せ、歯切れのいい動きで終盤までスピードを維持した。田畑は対照的に余裕を持ったペースで入り、最後の1周が強かった。外ノ池は中盤から腰が浮いてペースダウン。楠瀬が前半の貯金を生かした。上原は体をいっぱいに使っていたが、氷に力がうまく伝わらなかった。

 五百メートルは三宮が39秒台に突入。100メートルの通過が10秒85まで上がり、バックストレートでは、先行した滑らかな滑りの楠瀬を力強い滑りで追った。島崎は動作が途切れるようなぎこちなさがあり、鋭い動きを欠いた。氷をしっかり押さえて滑った清水が2位に浮上した。

(1997年11月3日 信濃毎日新聞掲載)