長野五輪 企業派遣のボランティア「業務命令出張」扱い 労基局指導


<労基局指導、企業負担保険加入へ>

 長野労働基準局はこのほど、長野五輪の際に県内各企業が従業員をボランティアとして派遣するのは「業務命令に基づく出張」にあたるとして、長野冬季五輪組織委員会(NAOC)と企業に対し「ボランティア」が業務であることを明確にするよう指導した。だが「万一の場合、労災保険だけを頼りにできない」との不安から、ボランティア確保などにあたる「五輪ボランティア推進幹事会」(事務局・県経営者協会)は十八日、長野市内で企業担当者を集めて会議を開き、派遣される従業員全員を対象に企業負担で任意保険に加入することを決めた。

 NAOCなどによると、従業員五十人以上の企業を中心に、県内約百十社が大会期間などにボランティア三千人以上を派遣する。ほとんどが、大会関係者を選手村から競技会場などへ輸送する役割。仕事は早朝から深夜に及び、雪道での事故が心配される。

 労基局は「企業が従業員を派遣することをボランティアと言うには無理がある」(監督課)とし、▽業務命令として「出張」させることを明確にし、就労規則や労使協定を定める▽五輪でどんな仕事をするのかを従業員に確実に知らせる▽労働時間を把握する―などを指導。NAOCや企業側は、指導通りの態勢づくりを進めている。

 五輪ボランティア推進幹事会は、十六日と十八日に企業担当者会議を開催。NAOCが負担する保険に加え、企業負担で任意保険に加入することによって、労災保険に見合う補償ができるという。

(1997年12月19日 信濃毎日新聞掲載)