長野五輪ニュース・信濃毎日新聞
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応対親切、でも連携は不十分 外国人受け入れ態勢チェック


 長野冬季五輪を取材する海外メディアの一つ、カナダ・モントリオールのテレビ局「ソシエテ・ラジオ・カナダ」の男性スタッフ二人の事前取材に同行した。長野市内の“外国人受け入れ”態勢の実際を一緒にチェックして回ったが、外国人向けのパンフレット類や案内板など、まだまだ用意が不十分では―と感じる点をあちこちで見かけた。(シルビー・ジャコ=本社特約記者)

 吹雪に見舞われた先月中旬、JR長野駅前の駐車場。ソシエテ・ラジオ・カナダのリポーター、フィリップ・クレポーさんはレンタカーを止めると、本来、出車時に利用時間分だけお金を入れればいいパーキングメーターに、あらかじめ三百円投入した。メーターの利用説明は日本語表記だけ。「(心配だから)取りあえず入れてみた」(クレポーさん)のが三百円だ。

 駐車したのは、同駅構内にある長野市観光情報センターに立ち寄るため。同市松代までの道順を確認するだけだったので、駐車時間は短くて済むはず。英語でも「ただし三十分以内無料」との説明文があれば、余分な出費はしなくていいケースだった。

 車を止めて駆けてきたクレポーさんからこの話を聞き、ちょっと落ち込んだ気分になったが、気を取り直して同センターへ。さまざまな観光パンフレットがずらりと並ぶ中で、五輪会場地の北安曇郡白馬村と下高井郡野沢温泉村、そして上高井郡小布施町のパンフレットには英文のものがあった。さて長野市はと探すと、なぜか見当たらない。

 「五輪までに英・仏語のパンフレットを一万部余り発行するはずだったのでは…」。不思議に思って私が尋ねると、長野市の外国語パンフレットもちゃんとあった。ただ、並べておくとすぐになくなるので、受け付けの職員に頼まなければもらえない―とのこと。

 何か変と思う私の隣で、クレポーさんは「松代に行きたいのですが」と、職員に英語で質問した。センターにあった英語表記の地図は市街地の範囲に限られており、郊外の松代は対象外。二人の職員が和英辞書を片手に時間をかけて丁寧に説明してくれ、それを日本語の地図に書き入れた。

 松代行きは、長野市の一校一国運動でカナダを交流相手国としている松代小学校の周辺を下調べするため。運転はカメラマンのアンドレ・ジャークさん。同乗のクレポーさんは道端の案内板や標識、さらに地図とにらめっこしながら「案内板の漢字は読めないけど、恐らく次の交差点は左です」。長野駅前を出てしばらく、案内板には「松代」でなく「篠ノ井」「更埴」の表示が多い。約四十五分後、何とか松代地区に入ることができた。

 「まずは観光案内所」。クレポーさんとジャークさんは口をそろえたが、大雪のためか案内看板らしきものを見つけられなかった。しばらく探し回ってから、見つけた交番で尋ねることに。最初はちょっと緊張気味だった警察官も、片言の英語で親切に象山神社へ行く道を教えてくれた。

 その交番で、クレポーさんは二種類のパンフレットをもらった。一つは英・仏語で防犯上のポイントを紹介した「ようこそ長野へ皆さんの安全のために」。もう一つは五輪中の交通規制案内で、表紙に「Olympic WinterGames NAGANO」と英文が併記してある。ところが、中を開くとどこにも英文はなく、漢字と仮名の世界。外国人はどうやって規制に従えばいいのだろう―。

 昼食を取った店に英語のメニューはなかったが、クレポーさんは「いつも、見本が並んだウインドーに店員を連れていって指し示すと、分かってもらえるから問題ない」。笑顔を見て、ほっとした気分になった。

 同市観光課によると、昨年四―十二月までに市観光情報センターを訪れた外国人は延べ三千六百人以上。既に九六年度一年間の二・五倍余に達している。

 私自身は、長野市内で立派な英・仏語のパンフレットや案内ブックなどを何種類も見たことがある。しかし、一般の観光客の外国人には、それらをどこでもらえるのか、買えるのか、分かりにくい。情報がスムーズに伝わるように、いろいろな機関の観光案内的な施設の連携が図られているのか、首をひねらざるを得ない面も感じる。

 取材で出会ったセンター職員や警察官が本当に親身に応対してくれただけに、余計残念に思えた。



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