松本で「夢のオーケストラ」小沢さん指揮「第九」高らかに



 サイトウ・キネン、ウィーン・フィル、新日本フィルなど、世界の十九のオーケストラから約九十人を集めて特別編成した「長野・冬のオーケストラ」のコンサートが四日夜、松本市水汲の県松本文化会館で行われた。五輪文化プログラムのひとつ。ファンにはたまらない“夢の音”が、五輪直前の信濃路で高らかに響きわたった。

 指揮の小沢征爾さんがステージに登場すると、約千八百人で埋まった会場からは割れるような拍手。世界に名だたるオーケストラの奏者たちは小沢さんの呼びかけで集まった。ベートーベン「交響曲第九番」の演奏が力強く始まった途端、聴衆は静まり返り、身じろぎもせずに聞き入った。小沢さんがオーディションで選んだ四人のソリストの歌声と東京オペラシンガーズの合唱も、見事に溶け合っていた。

 特別編成オーケストラによるコンサートは、五日夜に岡谷市のカノラホール、七日夜に長野市の県民文化会館でも開く。七日の五輪開会式では、同オーケストラのメンバーが「第九」の演奏を担当する。

 このほか、松本市以外の県内都市では初めてのサイトウ・キネン・オーケストラのコンサートが、飯田市、木曽郡日義村、南佐久郡臼田町で行われる。いずれも五輪文化プログラムで、大会中の信州にはクラシック音楽があふれそうだ。

(1998年2月5日 信濃毎日新聞掲載)