長野、タクシー足りない 五輪借り上げなど影響


 五輪の観客輸送の一翼を担うべきタクシー業界が、ここへきて車両不足の事態に見舞われている。長野市に集まった国内外の報道機関による借り上げで、一般客は待ちぼうけを食わされるケースも。県タクシー協会は各社に対し、勤務ダイヤを変更して保有車両をフル稼働させたり、営業区域を広げてタクシーを相互に乗り入れるよう協力を要請した。

 「今日は四、五十分待ちのお客さんもいた」「一般の方の予約は受けられない状態」。五輪開幕を間近に控え、各社の運転手や事務社員は一様に話す。理由の一つは、続々と長野入りした新聞社、テレビ局などによる車両の借り上げだ。市内十二社の保有車両は約六百四十台だが、七日の開会式当日は「このうち約二百四十台が充てられる見込み」(県タクシー協会)。一社で保有車の九割を割いているところもある。

 このままでは期間中、一般客の利用に大きな支障が出かねず、協会は新たな増車や稼働率の向上に四苦八苦。各社とも隔日勤務を連日勤務に切り替えるなどで車両をフル稼働させ、五輪期間中だけは営業区域の制限を外して相互乗り入れも行う。これに個人タクシーの協力も得られれば、長野市内で計二百四十台前後を上乗せできる勘定だ。

 NAOCの試算だと、期間中の市内の観客数は四十二万六千人。「どれくらいが利用してくれるのかはふたを開けてみないと分からない。考え付く限りのことはやっておかないと」と、関係者は気をもんでいる。

(1998年2月5日 信濃毎日新聞掲載)