出番がない… NAOC依頼、自治体職員運転ボランティア



 「人員を確保できない」として、長野冬季五輪組織委員会(NAOC)が県内市町村に派遣を依頼した運転ボランティアで、一度も出番が無いまま「任務」を終えて帰る人たちが出ている。「何のために来たのだろう」と割り切れなさを残す自治体職員は多い。

 運転ボランティアは、選手村が開村した一月二十四日から、午前六時―午後二時、午後二時―午前零時の二交代制で活動を始めた。

 NAOCが試算した運転ボランティアの必要人数は、長野市内で一日あたり約三百人。一般ボランティアだけでは充足せず、市町村に職員の派遣を求め、計約二千人で五輪が閉幕する二十二日までの約一カ月間をやりくりする計画だ。

 ところが、運転ボランティアの出番は、国際オリンピック委員会(IOC)や各国競技団役員らの輸送担当者を除き、ほとんど無いのが四日までの実態。待機場所の長野市若里の車両基地控え室は、出番を待つ県や市町村からの「動員組」でいっぱいで、「一日一回でも出番があればいい」「今日も座っているだけだったよ」と声が漏れる。

 東信地方のある自治体職員は「五輪開幕前の三日間の任務だったが、結局出番は無かった。もっと忙しいと思っていたが…」と帰っていった。やはり出番がほとんど無い別の自治体職員は「こうしてる間に役場の仕事がたまっていると思うとつらい」。「開会前だから仕方ない」との受け止めもあるものの、「もっと人繰りを効率的に考えるべきではないか」「こんな状況でいいのかな」といった声が大半だ。

 NAOCの大会要員・ボランティア課は「まだ会場間の輸送が少なくボランティアの方々に申し訳ない面もある。二月に入って徐々に輸送の動きが増えており、開会式以後は忙しくなるだろう」としている。

(1998年2月5日 信濃毎日新聞掲載)