クロカン「天気急変、腕の見せどころ」 ワックスマン気合



 三日連続の好天から一変、四日の白馬村は朝から雪が降り、風も出たが、午後には青空ものぞいた。変わりやすい天候に悩みながらも、「腕の見せどころ」と気合が入るのが、クロスカントリーの各チームのワックスマンたちだ。

 日本チームでは、チーフ兼グライド(滑らすワックス)担当の竹節義信(33)、グリップ(止めワックス)担当の宮入芳幸(33)の志賀高原コンビが活躍している。

 先月十八日に現地入りし、データ収集とテストを繰り返してきた両コーチは「去年は雪が少なく、天候が安定していた。今年は目まぐるしく変化する。かなり難しい」と、水面下での戦いに手ごたえを感じている。

 半月余のテストで「データは出ている。グリップもグライドも絞られてきた」といい、変化の大きな天候にも「地の利はあります。突然雪が降ってきたときでも、日本人だから対応できる」と自信をうかがわせる。

 グライドワックスは、ストラクチャー(スキー板の溝)とも密接に関係する。日本の雪は湿雪。表面張力で滑りを悪くする水分を逃がす、スキー板の細かな溝もかなりの種類を準備し、テストした。竹節コーチは「“長野スペシャル”も一つ、つくってある」と明かす。あとは天候、雪質に合ったスキーとワックスを選択し、ストラクチャーをマッチさせる勝負になる。

 ストラクチャーは特殊な機械が必要で、距離強国ノルウェーは宿舎にドイツ製を持ち込んだ、という。フィンランド、スウェーデンからは「日本と一緒に機械を使わせてほしい。自国(北欧)に来たときはヘルプできる」と依頼があったが、竹節コーチは「お断りした」。

 グリップワックスも、日なたと日陰が混在するスノーハープでは難問だ。宮入コーチは「午前六時に最低気温を記録し、後は上がりっ放し。15度くらいの変化がある。気温から一時間遅れで雪質も変わり、雪温も2度くらい変化する」という。特にレース時間帯の午前十時から十一時は雪質の変化が極端で、「無風で日が照ると問題が出る」と予測する。

 長距離種目だと、ワックスがどこまで持つかも微妙で、データで測れない要素もある、という。二人は「雪質が安定していたら実力通り。天候変化で難しくなると、どこのチームもチャンス」と、むしろ天候の変化を“歓迎”したいような口ぶりだった。

(1998年2月5日 信濃毎日新聞掲載)