スピード男子五百 清水が金メダル



清水宏保

(長野市・エムウェーブ)
A16:30 スタート

 スピードスケート男子五百メートルは十日夕、2回目のレースを行い、清水宏保(23)=三協精機=が35秒59の五輪新をマーク、合計タイム1分11秒35で優勝し、日本のスケート競技で初の金メダルを獲得した。今大会の日本選手初のメダルとなった。

 前日の1回目、35秒76の五輪新でトップに立った清水はこの日の2回目は最終組でスタート。好スタートから最後までスピードに乗って優勝した。五輪のスケート競技で、日本選手の金メダル獲得は史上初めての快挙となった。堀井学(王子製紙)は同1分12秒78で13位、山影博明(王子製紙)は1分12秒91で15位、黒岩敏幸(ミサワホーム)は合計タイム1分12秒97で16位だった。

 日本の冬季五輪の金メダルは一九七二年札幌大会のスキー・ジャンプ70メートル級(現ノーマルヒル)の笠谷幸生、九二年アルベールビル大会、九四年リレハンメル大会のそれぞれノルディックスキー複合団体に次いで4個目。

 九五年十月に全競技を通じて初めて長野五輪日本代表に内定した清水は、開会式で日本選手団の旗手も務めるなど、大きな期待の中で重圧を見事にはねのけた。


 [清水 宏保](三協精機=スピードスケート男子五百メートル)
 94年リレハンメル五輪五百メートル5位、千メートル19位。
 2回滑走方式で行われた96年世界種目別選手権五百メートルの初代チャンピオン。
 世界スプリント選手権は95、96年の総合2位が最高成績。
 五百メートル35秒39の世界記録保持者。
 W杯五百メートルで通算17勝し、94−95、96−97年の2度総合優勝。
 爆発的なスタートダッシュに定評がある。
 日大出。161センチ、70キロ。23歳。北海道出身。


【男子】▽五百メートル

 (1)清水宏保(三協精機)   1分11秒35
   (1回目(1)35秒76、2回目(1)35秒59=五輪新)

 (2)ウォザースプーン(カナダ)1分11秒84
   ((7)36秒04、(2)35秒80)

 (3)オーバーランド(カナダ) 1分11秒86
   ((2)35秒78、(3)36秒08)

 (4)S・ブシャール(カナダ) 1分12秒00
   ((4)35秒90、(5)36秒10)

 (5)P・ブシャール(カナダ) 1分12秒05
   ((5)35秒96、(4)36秒09)

 (6)フィッツランドルフ(米国)1分12秒20
   ((3)35秒81、(13)36秒39)

 (7)金潤万(韓国)      1分12秒36
   ((8)36秒13、(9)36秒23)

 (8)李奎(韓国)1分12秒55
   ((9)36秒14、(15)36秒41)

 (13)堀井学(王子製紙)    1分12秒78
   ((12)36秒37、(15)36秒41)

 (15)山影博明(王子製紙)   1分12秒91
   ((19)36秒61、(10)36秒30)

 (16)黒岩敏幸(ミサワホーム) 1分12秒97
   ((12)36秒37、(24)36秒60)

 世界記録 清水宏保 35秒39

 五輪記録 清水宏保 35秒76

 日本記録 清水宏保 35秒39

 【評】最終組。ライバルたちが次々に脱落し、36秒07で優勝できる圧倒的に有利な状況だったが、清水は守りに入らなかった。

 スタートダッシュが見事に決まった。低い姿勢で鋭く、力強く氷をとらえ、100メートルの通過は9秒54。力みはない。ライバルを完全に引き離した。後半も腰が決まった安定した滑りで最後まで乱れなかった。100メートルからの1周もウォザースプーンに次ぐ好ラップだった。

 初日に失敗したウォザースプーンは、遠心力をうまく利用したカーブワークに光るものがあり、1回目の7位から2位へ浮上する底力を示した。

 1回目2位のオーバーランドはしっかり滑らせるスケーティングができなかった。

 堀井は姿勢がやや高く、力強いキックがしっかり氷に伝わっていない。インコースに入る第2カーブでは大きく膨らむロスもあった。

 山影はスタートがいつもより良かったが、後半が伸び悩み。黒岩はスタートの出遅れが響いた。

(1998年2月10日 掲載)