「2000年五輪で車いす走を」 国際パラリンピック委会長


 国際パラリンピック委員会(IPC)のロバート・ステッドワード会長(51)=カナダ=は二十日、長野市内で信濃毎日新聞社のインタビューに応じ、二〇〇〇年シドニー五輪で車いす競走を公式種目にするよう、国際オリンピック委員会(IOC)に引き続き要請すると述べた。障害者スポーツの競技力向上や、すべての人に対等な社会の実現を目指すため、公式実施が必要との考えだ。

 五輪での障害者競技は、夏季の八四年ロサンゼルス大会以降、車いす競走の男子千五百メートルと女子八百メートルが公開種目として実施されており、現時点ではシドニーも公開種目の位置づけだ。IPCには、公式種目化でパラリンピックに対する理解をさらに深めたいとの狙いもある。

 ステッドワード会長は「IOCには(五輪中の)二時間をいただきたいとお願いしている。まだ承認は得られていないが、今後も理事会に働きかけたい」と話した。

 同会長はまた、パラリンピックのスポンサー確保に関連し、テレビ放映権について「パラリンピック運動にとってテレビ放送は重要だ」と強調。「世界でも有数の放送産業の発達した日本で、放映権が設定されなかったのは残念」とし、国内の現状ではなじまないとする長野冬季パラリンピック組織委員会(NAPOC)の立場との違いをあらためて示した。

 長野以降のシドニー、二〇〇二年ソルトレークシティー冬季などのパラリンピックに向けて、同会長は「困難な事情はあろうが、各組織委員会はテレビともっと連携してほしい。開催国もパラリンピック発展へ支援を強めてほしい」と語った。

 同会長は五輪閉会式後にいったん帰国し、三月五日開幕のパラリンピックで再び長野入りする。「選手は最高の能力を発揮し、NAPOCは最高の舞台をつくってほしい」と期待感を表した。

(1998年2月21日 信濃毎日新聞掲載)