「ふるさとは地球」高らかに 長野五輪閉幕



 第十八回冬季五輪長野大会が二十二日、閉幕した。十六日間、七競技六十八種目に及んだ史上最大規模の冬季五輪は、日本選手の活躍が大会を盛り上げ、勝負にかけた参加選手のひたむきな姿が国境や民族を超えた感動を呼び、地元に交流の喜びと大会開催の自信をもたらした。午後六時から長野市篠ノ井東福寺の南長野運動公園で開いた閉会式は、「故郷(ふるさと)」の大合唱に二十一世紀へのメッセージ「ふるさとは地球」を乗せ、五輪旗を次期開催都市・米国ソルトレークシティーに手渡した。

 閉会式は五万人の観衆が埋め、大会に参加した冬季五輪史上最多の七十二の国・地域の選手たちが入場。天皇、皇后両陛下や各国の来賓が見守る中、大観衆が歓声と拍手で迎えた。

 長野冬季五輪組織委員会(NAOC)副会長の吉村午良知事のあいさつに続き、国際オリンピック委員会(IOC)のサマランチ会長は、長野大会の成功を評価し、「史上最高の冬季五輪を組織してくれた長野と日本に感謝する。ありがとう長野。さよなら日本」と、閉会を宣言した。

 大会は四日目にスピードスケート男子五百メートルの清水宏保選手が優勝して、一気に盛り上がった。開幕までは売れ残りがあった入場券もほぼ完売。十六日間の競技は延べ約百二十七万人が観戦した。

 多くの人々が会場や表彰式に足を運ぶ中から、自然に交流も芽生えた。海外からの観客に笑顔で話しかけられるようになった新しい自分に喜ぶ人、開会式で知った対人地雷の被害者たちを支援するため動き出したボランティア。長野に生まれた「小さな地球」は、大きな遺産を残した。

 大会運営は全般に大きな支障がなくスムーズに進行した。ただ、悪天候による相次ぐ日程変更で輸送計画は大きく見直しを迫られ、大会関係者の輸送を重視するあまり、そのつけが観客に回された面もあった。

 五輪の巨大化の課題も端的に出た。今大会からカーリング、スノーボード、女子アイスホッケーがプログラムに加わった。環境問題への対応も重なり、開催市町村は当初の三市町村から五市町村に広域化。会場数の増加はそのまま大会運営費にはね返った。

 経済力を期待された日本開催だったが、一千億円を超える運営費の確保は為替変動に一喜一憂する厳しい状況が続いた。招致段階、さらに社会資本整備にも巨額を費やす五輪。肥大化を続けてきた五輪運営も限界に近づいている感は否めない。

(1998年2月23日 信濃毎日新聞掲載)